“好き”ってなんだろう?を、ちょっとだけ深く考えてしまうような空間。
女性ひとりでも気軽に楽しめる、年に2回開催される注目のフェチ職人展。
今年も行ってきました「フェチ職人展」。
公式情報や最新開催予定などは、フェチ職人展公式アカウント(@fetishism_ten)をチェックしてみてください。
今回のフェチ職人展でも、全国から集まった個性豊かな作品たちがずらりと並びました。
前回取材させていただいた鞭、メタルケイン職人・ゑ悟裟堂(えごさどう)の板尾さん(@ITAONJ)の作品もあり、丁寧な手仕事がひときわ目を引きます。
▲板尾さんの作品はぱっとみてわかる。
しかも今回は、初登場の占いブースが加わり、展示を“見る”だけじゃなく“体験する”楽しさもパワーアップしていました。
緊縛や占いが気軽に体験できるブース、作家さんとのやりとり、そして自分の“好き”にちょっとだけ気づける時間。
そんな展示会の様子を、たっぷりレポートしていきます。
より体験型で楽しめる構成に進化していました。
▲光る鞭。
▲手錠風アクセサリー。
▲性癖のレザーキーホルダー。
▲ファッションアイテムとしても楽しめる首輪。
▲いろいろな模様が付けられるパドル。
心をのぞくフェチ職人展限定占い、体験してみた
▲初めてのタロットカード
今回初めて登場した「うらないやさん こぐまのひたい」さんによる占いブース。
▲おためしコースは500円、フェチ職人展コースは1000円、創作応援コースは1500円、フリーコースは2000円。
用意されていたのは4種類のコース:
- おためしコース(おみくじ的に1枚引いてその日の運勢)
- フェチ職人展コース(タロット中心。自分の隠れた嗜好やパートナーとの相性を占う)
- 創作応援コース(推しカプ・推し活動と運命の占い)
- フリーコース(なんでも相談OKのスペシャルコース)
私は「フェチ職人展コース」を体験。
タロットを3枚引き、自身の性格や願望、対人関係などを占っていただきました。
▲なんか剣刺さってるー不吉と思ったらそんな大変な占い結果はでず、一安心。
占いというと雑誌の後ろに書いてある星座占い程度しか馴染みがなかったのですが、こぐまさんのやわらかい語り口にほぐされ、気づけば深い話に。
ちなみに、こぐまのひたいさんの最新情報はX(@littlebearshead)から見ることができますよ。
カードが導く内容は決してフェチ職人展だから「あなたはド変態です」的な軽いものではなく、「あなたは本当はこう思っているのでは?」と深層心理を掘り下げるような内容で、とても興味深かったです。
畳の部屋で体感する、緊縛の奥深さと高揚感
次に体験したのは、緊縛師・武田亨龍さん(@takedakouryu)による緊縛ブース。
会場の一角にある畳の部屋に設けられた空間で、和の静けさとぬくもりを感じながら体験できるのが特徴です。
アシスタントののいさん(@vOUx_xUOv)はメイド姿で登場。ふんわりした雰囲気がとても可愛らしく、体験への緊張もやわらぎます。
▲和室が渋い。
設置されている吊り台は耐荷重200kgとしっかりした造りで、大柄の方でも安心して体験できる仕様。
縄のカラーは赤と緑で、美しさと華やかさを感じます。
緊縛中はしっかりとコミュニケーションを取りながら、安全を最優先に丁寧に進行していただきました。
▲クリスマスの飾りみたい。
体勢を整える際には、のいさんが「一瞬だけ辛いかも」と声をかけてくれたり、絶妙なサポートで不安を感じさせません。
▲美しく見える首の向きを教えていただきました。(できてはいません)
吊られている最中には、スタッフのはるさんが「最近鞭にハマっていて…」とのことで、試しに鞭を打ってくれることに。
普段、鞭に触れる機会のない私は思わず「いたーい、いてて、いたいってばー!」とおもしろリアクション。
▲痛くて文句をいっています。
そんな姿に場が和み、周囲から笑いがこぼれました。
笑ってもらえて一安心。
さらには、先生が実際に体に乗ってくれるというスペシャル体験も。
体重が縄でしっかりと分散されているため、不思議なくらい圧を感じず、技術の高さに驚かされました。
▲男性が乗っても重さは感じませんでした。不思議。
畳の上で、非日常の感覚に包まれながら味わう緊縛の世界。体も心も少しだけ解放されるような、そんな貴重な時間でした。
インタビュー:主催者のレイさん&スタッフのはるさんに聞く“好き”への思い
今回は主催者のレイさん(@reifechi1)とスタッフのはるさん(@_haru_xxx_666)にフェチ職人展にかける思いなどをお話しいただきました。
▲皆さま準備中の一幕。
―筆者
今回も取材協力いただきありがとうございます。初日に来れて嬉しいです。
―レイさん
今回も来ていただきありがとうございます。初出展の作家さんもいて、今回も素敵な作品が多数揃っています。
―筆者
フェチ職人展はSMという少しダークな雰囲気ではなく、本当に明るく爽やかな雰囲気ですよね。
―レイさん
そうですね。フェチ職人展では来場する方へ、年齢制限を設けていません。誰でも気軽に来ていただき、商品を手にとって試していただきたいです。
フェチは決してSMに限ったものではありません。私たちのフェチの捉え方は、その人が本当に好きなもの、好きなこと。それがSMの方もいるでしょうし、二次元のこともあるでしょうし、体の一部分ということもあるでしょう。
なのでフェチ職人展では、SMグッズ縛りというわけでは決してなく、作家さんのフェチ性にゆだねて作品を出展していただいています。
―筆者
素敵ですね。
SMグッズももちろん、品揃えが豊富でここでしか買えないものも多いと思います。ですが、可愛い女の子のイラストグッズや、かっこいいTシャツなど色々な種類のものがありますもんね。私もフェチっていうとパッと拘束具や縄や鞭が思い浮かびますが、フェチって人それぞれですもんね。
―レイさん
そうなんですよ。なので作家さんが出展したいという申し込みがあれば、クオリティ、安全性さえ担保できればどなたでもフェチなアイテムを出展していただくことができます。自分の好きを自由に形にしていただきたいです。
逆にですが、あまりにもエロ直球なものはお断りするかもしれません。アダルトすぎる作品は年齢制限の観点上難しいです。
―筆者
逆になんですね。そう思うとドンキホーテの方がよっぽどエロい気がします。フェチ職人展はエロの祭典というイメージではなく、純粋にフェチの祭典という感じですね。なんかレイさんの多くの人に、色々触れて自分の好きを共有して欲しいって思いが素敵です。
―レイさん
決してアダルトグッズを展示しているわけじゃないんですよ。なので、冷泉荘のような国の登録有形文化財でもフェチ職人展ができるのです。
―筆者
フェチ職人展への出展に関して、出展してみたい場合はどうすればいいのでしょうか??
―レイさん
出展料は一切いただいておりません。事前にどういったものを出展したいか連絡いただければ、お写真や現物を見せていただき、フェチ職人展にあったものか確認します。それでお互いの意向が合えば、出展をお願いしております。
作品点数、種類などについても縛りは一切ありません。興味のある方はぜひご相談ください。
―筆者
実は私がめちゃめちゃ興味がありまして…。キャンドル製作をしているのですが、出展などすることは可能でしょうか??
(作品の写真を見せる)
▲さてなんでしょうか?分かる人にはすぐわかる。
―レイさん
面白いですね!ぜひ、参加していただけたら嬉しいです。
―筆者
(私めっちゃ大喜び)
ありがとうございます。次回は参加者としてこちらにくるかも知れません。よろしくお願いします。
レイさんの最近のニュースはありますか??
―レイさん
6/1よりPurple Rabbitというカフェバーをオープンします。みんながみんな、自分の好きについて話せる居心地のいい空間ができたらと思っています。また、フェチ職人展で購入したアイテムの使い方がわからなかったり、困ったことがあれば相談していただけます。
―筆者
鞭を買っても意外と正しい使い方がわからなかったりしますもんね。私は鞭練習中なのですが、まず持ち方からうまくいきません。
―レイさん
鞭や縄などの練習会も開催予定です。店舗は2階建てなので、1階はカフェバーとして、2階ではイベントや展示ができたらと考えています。フェチ職人展の空気感、雰囲気がそのままお店になっています。フェチ職人展に出展していただいた作家さんのアイテムや、そのほかのアイテムを展示予定です。
―筆者
すごくいいですね。みんなの好きを持ちよる空間はハッピーなオーラで満たされそう。Purple Rabbitでははるさんが店長さんをされるのですよね。
―はるさん
はい。がんばります!私自身が接客が好きで、みんなを笑顔にしたいと思っています。
好きなことってフェチに関することでなくても、例えば、メイクが好きでもいいんです。メイクが好きな方が情報交換したり、お互いのコツを話したり、お客様同士の交流も楽しんでいただけたら。好きっていう気持ちは素晴らしいものなので、みんなの好きで満たせたら嬉しいです。
▲天使みたいなはるさん。
―筆者
はるさんはすごくニコニコ天使みたいで、はるさんのもつやわらかい雰囲気で、お店があたたかくなりそうです。はるさんの最近のニュースはありますか??
―はるさん
Purple Rabbitで店長をすること。
あとは、鞭にハマっています。鞭って痛いだけじゃないんです。優しく当ててサワサワしたり、くすぐらせることもできます。最近鞭楽しいなあって思ってます。
―筆者
さっきは鞭が痛くて、大騒ぎしてすいません。叩かれたことなくて…。
―はるさん
貴重な初めてをありがとうございました。新鮮な反応で楽しかったです。
新店舗の準備+フェチ職人展でお忙しい中たくさんお話を聞かせていただきありがとうございます。次回は出展者として、そしてPurple Rabbitにも遊びに行かせてください!!
―レイさん
ぜひよろしくお願いします。6/1「Purple Rabbit」では開店のお祝いとはるちゃんのお誕生日イベントを同時開催して盛り上がる予定なので、ぜひ皆さま遊びに来てください。
―はるさん
お待ちしております。
レイさんとはるさんが手がける新店舗「Purple Rabbit」の情報は、@purple_rabbit0でチェックできます。
▲新店舗も楽しみです♡♡
〜まとめ “好き”はもっと自由でいい。そんな気づきのあるフェチ職人展でした。〜
お話を聞いて、あらためて感じたのは「好きって、本当に人それぞれなんだな」ということでした。フェチについて、あれこれ難しく考えすぎていたのかもしれません。
ただ“好きでたまらないもの”がある——それだけで、十分にステキなこと。
私にとっては、それが旅。
航空券を探している時、荷造りをしている時、知らない食べ物に出会った時、現地の暮らしを少しだけ垣間見た瞬間——そういう瞬間に胸が高鳴り、なんとも言えないワクワクがこみ上げてきます。
そして旅が終わって日常に戻った時、少しだけ寂しくて切ないような気持ちになる。
それでも、私はこの“旅が好き”という気持ちを、これからも大切にして生きていきたい。
フェチ職人展は、そんなふうに“好き”と向き合うきっかけをくれる場所でした。
次回は、いち来場者としてだけでなく、出展者としてこの空間に参加してみたいと思っています。
どんな“好き”が誰かとつながるか、今から楽しみです。
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