
今回は、取材だけではありません。
私にとって初めて、キャンドル作家としてイベントへ出展する日でもありました。
これまで何度もイベントを取材してきましたが、作品を並べる側になるのは初めて。

「作品を手に取っていただけるだろうか。」
「気に入ってくださる方はいるだろうか。」
取材とはまた違う緊張を抱えながら、この日向かったのは岡山市にある「上海ルネサンス」です。
店内へ一歩足を踏み入れると、そこには上海租界時代をイメージしたアンティークな空間が広がっていました。

重厚な家具や少し落とした照明が作り出す雰囲気は、今回のイベントタイトル「LABYRINTH OF WONDER UNDERGROUND」にぴったり。
まるで地下迷宮へ迷い込んだような気分になります。
私は透明鞭を制作されている一間庵・士郎さんとご一緒させていただき、物販ブースを設営。
準備を終えて会場を見渡すと、Marimo GABANGさんや七瀬カオリさん、リリィさんのショーでお会いした如条凛さん、紫陽花あざみさんなど、おなじみのお顔も見かけました。

イベントが始まる前から、会場には自然と笑顔があふれています。
機材トラブルの影響で少し遅れてのスタートとなりましたが、お客様も出演者も穏やかにその時間を楽しんでいる様子が印象的でした。
そして、いよいよ第一部が始まります。
不思議の国へ迷い込んだようなSMショー

第一部の幕開けを飾ったのは、リリィ★スターダストさんと脇毛乃美和さんによるSMショーです。
王冠をかぶり、フラミンゴを手にしたリリィさん。
一方の美和さんは、アリスを思わせる衣装で登場します。

さらに鞭を首輪のように身につけ、四つ這いでゆっくりとステージへ現れた姿を見た瞬間、「これから始まるのは一つの物語なんだ」と感じました。
BGMには黒色すみれさんの楽曲。

そのリズムに合わせて、リリィさんはピンク色の縄を手に取り、美和さんの身体へ一本一本丁寧に縄を掛けていきます。
前で手をまとめ、お腹や太ももへと縄が広がっていく様子は、身体を縛るというより、一つの作品を作り上げていくようでした。

特に印象的だったのは、二人が何度も目を合わせて微笑んでいたことです。
SMショーというと緊張感や痛みを想像する方もいるかもしれません。
ですが、その表情から伝わってきたのは、お互いを信頼しながら一つの舞台を作り上げる楽しさでした。
やがて美和さんの身体はゆっくりと宙へ。
片足を吊り上げ、スカートを持ち上げると、縄で新しい衣装が作られていきます。

前面には大きく交差した縄。
さらにリリィさんは、自分がかぶっていた王冠を美和さんへ。
その仕草だけで、まるで主役が入れ替わるような、美しい物語が生まれていました。

ショーはロウソクへと続きます。

真っ赤なロウが肌を伝い、静かな会場には美和さんの低く静かな声だけが響きます。
さらに巨大な仏壇用ロウソクが登場すると、客席から思わずどよめきも。

血を思わせる赤い液体を使った幻想的な演出、逆さ吊り、バラ鞭、一本鞭。


刺激的な演出が続いても、不思議と怖さは感じません。
最後にはリリィさんが美和さんの身体を支えながら、一本一本ゆっくりと縄を解いていきます。

始まりから終わりまで、美しく。
二人で一つの作品を完成させたような余韻が残るステージでした。
リリィさん公式X:https://x.com/rino_chang
脇毛乃美和さん公式X:https://x.com/DJcrazymiwabea1
一本の舞台作品を観ているようなGAGAKAさんの世界

続いて登場したのは、ドラッグクィア・GAGAKAさん。
白いドレスをまとい、一体の人形を抱えた姿で静かにステージへ現れます。

頭を抱え苦しむような表情を見せたかと思うと、人形へナイフを突き立て、黒いウィッグを外し、白いドレスも脱ぎ捨てます。

現れたのは赤と黒のビキニ衣装。

ステージだけでなくフロア全体を使って踊る姿には圧倒されました。

最後は自ら胸へナイフを刺す演出で幕を閉じます。

ショーというより、一つの舞台作品。
SMショーとはまったく違う方法で、観客を地下迷宮のさらに奥へ誘ってくれました。
GAGAKAさん公式Instagram:https://www.instagram.com/gagaka_ichi/
地下迷宮をつなぐHAMAさん、CRAZY BEARさんのDJタイム

ショーが終わるたびに空気をつないでくれるHAMAさん、CRAZY BEARさんのDJタイム。
HAMAさんのDJタイムで会場に流れるのは、誰もが一度は耳にしたことのある平成ポップス。
妖しく幻想的だった空間が一転し、自然と笑顔が広がっていきます。
お客様同士で口ずさんだり、リズムに乗ったり。
ステージだけではなく、会場全体でその時間を楽しんでいる様子がとても印象的でした。
一方、CRAZY BEARさんはダークなエレクトロを中心とした選曲でDJを担当。
重低音が響き始めると、会場は再び妖しく幻想的な空気へと変わっていきます。
CRAZY BEARとは、脇毛乃美和さんのDJネーム。
DJブースで音楽を操る姿を見ていたときは、後ほどリリィさんのショーで受け手を務める方だとは気づきませんでした。
ショーが始まり、「あのDJをしていた方だ!」と気づいた瞬間、そのギャップに思わず驚きます。
DJとして会場の空気を作り、ショーでは受け手として作品を完成させる。
一人の表現者として、さまざまな顔を持っていることにも驚かされました。
明るく会場を一つにするHAMAさん。
そして、ショーの世界観へゆっくりと観客を引き込む美和さん。
二人のDJの選曲で、イベント全体に心地よい緩急が生まれていました。
HAMAさん公式X:https://x.com/hamaxx_ss
会場を一つにしたVOVOKAさん

第一部のラストを飾ったのは、VOVOKAさん。
赤いベールをまとい、両手を合わせた姿で登場しますが、その手首は鎖につながれています。
そして、その鎖を力強く振りほどいた瞬間、会場から大きな拍手が起こりました。

レディー・ガガの楽曲に合わせて力強く踊る姿は迫力満点。
ドレスをステージに広げて舞い踊る。

そこへお姉さんのGAGAKAさんが、(スカートのひらひらに対して)
「臭い!」「埃だらけ!」
と絶妙なタイミングでツッコミを入れ、会場は一気に笑いに包まれます。
ダンスが終わると、
「ミスターゲイファイナリストです!」
と元気いっぱいに自己紹介。
観客から拍手が巻きおこります。
8月の最終大会や9月21日に開催されるレインボーフェスタ岡山の告知も交えながら、会場全体を巻き込んでいきます。
そして最後は、
「一人一万円くださーい!」
という一言。
会場中が大笑いに包まれ、妖しく幻想的だった第一部は、温かな空気のまま幕を閉じました。
VOVOKAさん公式:https://www.instagram.com/vovoka_ichi/
GAGAKAさんとともに、市兄弟として活動されています。
私も、この迷宮の一員になれた日

第一部が終わると、お客様が再び物販ブースへ立ち寄ってくださいました。
ショーの感想を話してくださる方。
作品をじっくり眺めてくださる方。
そして、キャンドルやアクセサリーを手に取り、「これにします」とお迎えしてくださる方。
初出展ということもあり、イベントが始まるまでは不安もたくさんありました。
ですが、自分が作った作品を誰かが気に入り、大切そうに持ち帰ってくださる姿を目の前で見ることができたのは、本当に嬉しかったです。
取材では何度もイベントへ足を運んできましたが、出展者として参加したからこそ見えた景色がありました。
出演者、お客様、出展者。
それぞれがこの空間を作り上げる一人だったからこそ、「LABYRINTH OF WONDER UNDERGROUND」はこんなにも温かなイベントになっていたのかもしれません。
ですが、この日の地下迷宮は、まだ入口。
休憩を挟み、第二部では同じ出演者たちが衣装も空気も変え、さらに深く幻想的な世界へと観客を誘います。
その様子は、後編でお届けします。
そして、観客としてだけではなく、初めて出展者としてこの地下迷宮に足を踏み入れた私にとっても、この日は忘れられない一日になりました。
作品を手に取り、「これにします」とお迎えいただけた喜び。
取材では見ることのできなかった景色に出会えたこと。
それもまた、このイベントが私にとって特別な理由です。
上海ルネサンス

公式Instagram:https://www.instagram.com/rune2121/
公式HP:https://shanghair.jp/
営業時間:17時〜2時
定休日:不定休 (水・木どちらかの休みが多いとのこと)
住所:〒700-0822 岡山県岡山市北区表町1丁目3−1 地下1階


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