
福岡へ取材やイベントで訪れることも増え、そのたびに顔を出すようになった場所があります。
親不孝通りにあるフェティッシュバー「Bar エルドラド」。
イベント終わりにふらっと立ち寄って、お酒を飲みながら近況を話したり。
福岡で仕事があると、「今日は誰がいるかな。」と、自然と足が向くようになりました。
今回は、新体制となったBar エルドラドへお邪魔しました。
以前から知っている場所ですが、オーナーが武田亨龍さんへと変わり、お店の雰囲気も少しずつ新しくなっています。
この日は、どんな夜になるのでしょうか。
扉を開けると、「こんばんは。」という明るい声が迎えてくれました。
最初にお会いしたのは、スタッフの戯正さんとしゅもさん。
お二人とは、小倉で開催された「フェティッシュパラダイス」でもご一緒していたこともあり、久しぶりの再会です。
「あきさんだー」
「戯正さんだー」
そんな挨拶を交わしながら店内へ入ると、月曜日とは思えないほど多くのお客様で賑わっていました。

カウンターでは、お酒を片手にゆっくり会話を楽しむ方。
スタッフと談笑している方。
それぞれ違う時間を過ごしているのに、不思議と店全体には心地よい一体感が流れていました。
フェティッシュバーという名前だけを聞くと、少し入りづらいイメージを持つ方もいるかもしれません。
ですが、実際のお店の空気はとても穏やかです。

以前お邪魔した際には、女性一人で来店されているお客様も多くいらっしゃいました。
スタッフはもちろん、お客様同士も自然と会話が生まれ、初めて訪れた方が一人にならないような雰囲気があります。
この日も、初めて来店されたお客様が、気付けば周りの方と楽しそうに話していました。
誰かが輪の中心になるのではなく、その場にいるみんなで空間をつくっている。
そんなところも、Bar エルドラドの魅力なのだと思います。
みんなで見守る。緊縛体験。

しばらくすると、一人の女性のお客様が「緊縛を体験してみたい」とスタッフの戯正さんへ声を掛けました。
この日がエルドラドでの初めての緊縛体験。
少し緊張した表情を浮かべながらも、どこか楽しみにされている様子です。
まずは店内に用意されているコスプレ衣装の中から、お気に入りの一着を選びます。
選ばれたのは、透け感のあるセーラー服。
更衣スペースも用意されているので、人目を気にせず着替えられるのも嬉しいポイントです。


準備が整うと、戯正さんが優しく声を掛けながら縄を手に取ります。
店内のみなさんも、その様子を自然と見守っていました。
カウンターでは会話が続き、それぞれが思い思いの時間を過ごしています。
それでも、縄が一本、また一本と結ばれていくたびに、自然と視線が集まっていく。
その場にいた誰もが、それぞれの距離感で、この時間を一緒に楽しんでいました。
戯正さんはイベントなどでも活躍されているので、縛ってもらえるのは貴重な体験となるでしょう。
この日も受け手さんのやってみたいこと、苦手なことなどをしっかりと聞きながら、受け手さんにあわせた緊縛を作り上げて行きます。
緊縛体験が終わると、店内から自然と拍手が起こります。
「お疲れさまでした。」
「素敵でしたね。」
そんな温かい言葉が飛び交い、女性もほっとしたような笑顔を見せていました。
緊縛体験が終わると、お店の空気はまたいつものゆったりとした時間へ戻っていきます。
その中で、この日とても印象に残った出来事がありました。
先ほど緊縛を体験された女性が身につけていた下着が、とてもおしゃれだったのです。

「その下着、かわいい!」
「デザインも素敵ですね。」
「どこで買ったんですか?」
そんな声が自然とあちこちから聞こえてきます。
普通なら少し話題にしづらいことかもしれません。
ただ素敵だと思ったことを、素直に言葉にしているだけ。
その何気ないやり取りを見ていて、フェティッシュという共通の趣味を持つ人たちが集まる場所だからこそ、お互いの「好き」を自然に受け止め合えるのだと感じました。
夜ごとに違う楽しみ方

この日出勤されていたのは、戯正さんとしゅもさん。
そして、取材のためにいらしてくださったオーナーの武田亨龍さん。
ですが、Bar エルドラドの夜は、いつ訪れても同じではありません。
スタッフやそこへ集まるお客様が変われば、お店の雰囲気も少しずつ変わります。

ゆっくりお酒を飲みながら語り合う夜もあれば、笑い声が店内に響く夜もある。
常連さんが多い日。
初めて訪れる方が多い日。
イベント帰りにふらっと立ち寄る方が集まる日。
その日、その時間に集まった人たちが、その日のBar エルドラドをつくっています。
もちろん、イベントが開催される日もあります。
一縄会の緊縛師がスタッフとして店頭に立つ日。
日本酒を楽しむ夜。
女性限定イベント。
そして、8月23日には「WET and MESSY」のスペシャルイベントも予定されています。
イベントを目当てに訪れるのも楽しいですし、「今日は誰がいるかな」と気軽に立ち寄ってみるのも、このお店ならではの楽しみ方です。
だから私は、福岡へ来るたびに思います。
「今日は、どんな夜になるんだろう。」
同じ場所でも、同じ夜は二度とありません。
その日、その時、その人たちだからこそ生まれる時間があります。
また、扉を開けたくなる場所

気が付けば、この日もあっという間に時間が過ぎていました。
「ありがとうございました。」
スタッフやお客様へ挨拶をして、お店をあとにします。
この日見たのは、緊縛体験だけではありません。
それぞれの「好き」を、ごく自然に受け止め合う空気が流れていました。
スタッフやお客様との会話を楽しみながら、それぞれが自分らしい時間を過ごしている。
みんなの居場所になるんだと感じました。
さまざまなフェティッシュや価値観を受け入れながら、人と人が自然につながっていく。
Bar エルドラドは、そんな温かな時間が流れる場所です。
福岡へ来たら、また扉を開けるんだろうな。
帰り道、そんなことを考えていました。
BAR EL・DORADO(BAR エルドラド)

住所:〒810-0073 福岡県福岡市中央区舞鶴1丁目1-30 天神ウイング2 4F
料金システム:男性120分飲み放題5,500円、1日飲み放題1万円
女性は終日2,200円
営業時間:20時〜
定休日:水曜・日曜
※イベントや、営業日については店舗のSNSを確認ください。


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