
私が初めてあゆめろさんのショーを拝見したのは、以前小倉で開催された「九州フェティッシュパラダイス」でした。
ステージに置かれた一脚の椅子。
それだけのシンプルな空間なのに、音楽が流れ始めると一気に空気が変わります。
しなやかで力強く、ときには妖艶に。
椅子を使って描かれる世界に、思わず見入ってしまいました。
そのご縁がきっかけとなり、今回インタビューのお時間をいただくことに。
実際にお会いしたあゆめろさんは、ショーで見せる凛とした印象とは少し違い、とても親しみやすい方でした。
携帯ケースにはタキシードサムのステッカー。
広島のお土産としてお渡ししたカープのマイメロちゃんも、「かわいい!」と喜んでくださいます。
「かわいいものが大好きなんです。」
そう笑う姿からは想像できないほど、ステージでは芯のある女性を表現されていました。
「私もこんなふうになりたい。」一脚の椅子から始まったダンサー人生


活動を始めたきっかけを教えてください。

2014年の夏頃、友人たちと海辺にバーベキューに行きました。その時に高校時代、体育祭のダンスリーダーをしていた友達に再会しました。
今どんな仕事をしているのか聞くと、『北九州・小倉にできた映画『バーレスク』みたいなお店で毎日ショーを踊っているよ』と言われたんです。
当時、あゆめろさんは地元で、レースクイーンのようなコスチュームを着て接客をする居酒屋で働いていました。

だからかな、非日常の世界に単純に興味が湧いて。
でも、私は夜のお店にあまり免疫がなくて、実際に遊びに行ったのは2〜3か月後くらいでした。
初めて目にしたショー。
最初はガールズバーのような雰囲気に少し緊張していたそうですが、ステージが始まると、その気持ちは一変します。

みんな本当にかっこよくて。
『私もこんなふうになりたい!』って思いました。
その出来事が、ダンサーとして歩み始めるきっかけになりました。
最初に入店したのは、小倉のショーパブ。
約2年間ステージに立った後、現在在籍している黒崎の「Pure Maria KUROSAKI」へ。

黒崎のお店では、ダンスだけじゃなくチェアダンスも取り入れてみようと思って。
そこからポールダンスも加えながら、今のショースタイルを作っていきました。
現在ではショーへの出演だけでなく、昨年からはチェアダンス講師としても活動されています。
自分らしい表現を模索する中で出会ったのがチェアダンスでした。
「女性が女性らしく魅力を放つきっかけになれたら。」
そんな思いも、教室を始めた理由の一つだそうです。

もしダンサーになっていなかったら、どんなお仕事をされていたと思いますか?

ファッションが好きなので、アパレルブランドで働いていたかもしれません。
昔からアイドルも大好き。
中でも、モーニング娘。の飯田圭織さんに憧れていたそうです。

かわいいものが好きなんです。でも、どこかかっこよさのあるものに惹かれます。
その言葉は、あゆめろさんが表現する世界にも、そのまま重なっているように感じました。
「その曲の主人公になる。」表現するのは、あゆめろではない

ダンスを拝見していて、とても表情が印象的でした。
踊るときに意識されていることはありますか?

その曲の主人公になることを心掛けています。
中には一人称が『僕』だったり、セクシーな演目もありますが、私の中で気をつけているのが、あゆめろの第一印象とか固定概念を、そのままショーにもっていきたくなくて。
曲からダンスを創ることが多いですね。
100パー演じるようになるには、120パー曲を聞き込まないといけないと思っています。
その曲の主人公はどんな人なのか、どんな感情でその世界を生きているのか。
そこまで理解して初めて、自分の中で振り付けが生まれてきます。
現在出演しているショーでは、お客様の好みに合わせて、その日ごとに演目を選ぶこともあるそうです。
同じダンサーでも、同じショーになることはありません。

自分の中で振り幅を広げるチャレンジだと思って、新しい演目を作る時は考えています。
一方で、表現者として葛藤した時期もありました。

私は、凛とした妖艶な女性が理想なんです。
でも、このお仕事を始めた当時は、元々の体格や童顔なりもあって、自分の理想と、お客様から見られる印象とのギャップに悩んでいました。
今もたまーにあって、一人で葛藤していますが、きっと大人になったということで。
そう笑いながら話してくださいました。
理想の自分と、周りから見える自分。
その間で悩み続けた経験も、今では一つひとつの演目をより深く表現する力になっているようでした。
憧れるのは、「媚びない女性」


理想とする女性像はありますか?

私の中で、美しい女性って、肌艶があって、曲線美が美しい、自立した女性なんです。
その考え方には、子どもの頃から好きだったアイドルの存在も影響しているそうです。

アイドルは昔から好きなんですが、秋元康さんが書くアイドルって、守ってあげたくなる女の子のイメージがあるじゃないですか。
私はどちらかというと、モーニング娘。みたいな、媚びない女子に憧れるんです。
可愛らしさだけではない。
芯があり、自分の意思を持っている女性。
その姿に惹かれると言います。
だからこそ、ショーでも「可愛い」だけでは終わらせたくありません。
女性らしいしなやかさの中に、強さや意志も表現したい。
その思いは、あゆめろさんが踊る姿からも自然と伝わってきます。
美しさは、一日ではつくれない

スタイル維持のために、意識されていることはありますか?

昔は正直、何もしなくてもくびれがあって、下っ腹もへこんでいました。
遠目からお客様が褒めてくださっているのが聞こえたら、心の中でガッツポーズしていましたね。
そう笑いながら話してくださいました。
しかし、コロナ禍をきっかけに体型が大きく変化したそうです。

30歳手前の頃、ストレスでかなり太ってしまって、体脂肪率も30%を超えてしまいました。その時にパーソナルジムへ通い始めたんです。
現在は、鍛えることだけではなく、「整えること」も大切にしています。

今は体を鍛えることは、その時に比べるとできてない気もしますが、整体やよもぎ蒸しなど、体を整えることに趣を置いて、動きやすい体づくりを心掛けています。
でも、やっぱりパワー系の技が苦手だから、体ももう少ししっかり鍛えたい!!
取材中も、「疲れを翌日に残さない方法がないかなあと、いろいろ試しているんです」と話してくださいました。
美容はもちろんですが、それ以上に健康であること。
ショーを続けていくためには、毎日の積み重ねが欠かせません。
食事も、自炊をすることが多いそうです。

最近はオーガニック系のものも食べます。
きのこや鶏むね肉、ブロッコリーなど、体づくりを意識したものを食べることも多いですね。
また、普段からボディラインがわかる服を選ぶことも意識しているそうです。
鏡を見る機会を増やし、自分の体と向き合うことも、美しさを保つための一つの習慣なのだと感じました。
点と点が糸となり、線になる


今後は、どのような活動をしていきたいですか?

点と点が糸となり、線となる。
そんな活動をしていきたいと思っています。
その言葉が、とても印象に残りました。

広い目で見れば、上手い人はたくさんいます。
でも、自分にしかできないことを広めていきたいんです。
今年9月には長崎でショーへの出演も決まっています。
また、2025年には「EXOTIC GENERATION VIRTUAL WORLDS 2025」Floorwork部門でファイナリストにも選出されるなど、その活動の幅は少しずつ広がっています。

以前、Sallyさんに取材した際に、『MIDAS』のお話を伺いました。
あゆめろさんにとって、『MIDAS』はどんな舞台でしたか?

Sallyさんが企画した『MIDAS』にも出演させていただきました。
小道具や振り付けも、みんなで一緒に考えたんです。
最近は、みんなで一つの作品を演じる機会があまりなかったので、本当に思い出深い舞台になりました。
また、ああいう作品づくりもやりたいですね。
一人で踊るショーとはまた違う、みんなで一つの世界を作り上げる楽しさ。
あゆめろさんにとっても、忘れられない舞台になったようです。
「誰かのきっかけになれたら、それが一番嬉しい。」

NUKITIMESでは最後に皆さまへお伺いしています。
あゆめろさんにとって、「快楽」とは何でしょうか。

私にとって快楽は、私のショーや知識で、お客様が新しい世界に踏み入れたり、チェアダンスなどを通して、女性が女性らしく魅力を放つきっかけになることです。

以前、LGBTQのイベントにダンサーとして出演したことがありました。
その時に、私のダンスを見てくださった女性が、『チェアダンスを習ってみたい』と教室へ来てくださったんです。
ショーを見て終わるのではなく、自分でも挑戦してみようと思ってもらえたこと。
それは、あゆめろさんにとって、とても嬉しい出来事だったと話してくださいました。

ここ一年で、新たな生徒さんとの出会いや、それに派生して新しいお仕事の幅も広がりました。
実はコロナ禍を機に、少し閉鎖的になったり、県外や外部のお仕事はどうしようかなと考えた時期もあったんです。
でも、いい意味で自分を放出していくことが、自分自身の成長にもつながるんじゃないかなと思っています。
そして、最後にこんな言葉を聞かせてくださいました。

少しでも、私のダンスを見て元気になったり、『やってみたい』って思ってもらえたら、すごく嬉しいです。
少しずつ広めていきたいですね。
初めてショーを拝見したフェティッシュパラダイスで感じた、椅子一脚から広がる世界。
今回お話を伺って、その表現は、技術だけではなく、一曲一曲と向き合い、理想の女性像を追い続け、自分自身とも向き合ってきた積み重ねから生まれていることを知りました。
そして、その先にあるのは、自分が輝くことだけではありません。
ショーを見た誰かが新しい世界へ踏み出したり、「やってみたい」と思えたりすること。
その小さなきっかけを、一つひとつ大切に育てながら、あゆめろさんは今日も椅子の上で、新しい物語を踊り続けています。
あゆめろさん公式SNS
あゆめろさん公式Instagram:https://www.instagram.com/chairpole_ayumero/
あゆめろさん公式X:https://x.com/a_sp2727
あゆめろさん公式note:https://note.com/a_sp27
Pure Maria KUROSAKI にあゆめろさんは所属されています。
Pure Maria KUROSAKI 公式Instagram:https://www.instagram.com/puremaria_kurosaki/
住所:〒806-0022 福岡県北九州市八幡西区藤田3丁目4-9
営業時間:21:00~
定休日:日曜日、月曜日


コメント