
福岡・親不孝通りにあるフェティッシュバー「Bar エルドラド」。
これまでNUKITIMESでも何度かお邪魔しているお店です。
そんなエルドラドで、いつも明るく迎えてくれるスタッフの一人が、戯正(ぎしょう)さん。
エルドラドでの勤務だけでなく、イベントやショーにも出演されています。
私もこれまで何度かお会いしていますが、今回改めてお話を伺ってみると、その歴史はなかなか濃いものでした。
本人いわく、
「小さい頃から、うっすらずっと変態。」
北海道で育ち、主従関係と出会い、縄会をきっかけにフェティッシュの世界へ。
そして福岡へやってきて、エルドラドで「戯正」という名前が生まれました。
今回は、そんな戯正さんにこれまでのこと、そしてこれからについて伺います。
小さい頃から、うっすらずっと変態


性癖に目覚めたきっかけは覚えていますか?

小さい頃から、うっすらずっと変態なんですよ。
変態に対するポテンシャルが高かったんだと思います。
幼少期から、フェチを感じるものはずっと好きでした
その探究心は、中学生になる頃にはかなり本格的なものになっていました。

知らない性事情があるのが嫌だったんです。
だから、性に関することを一生懸命調べていました。
中学生の頃には、潮吹きのメカニズムを同級生に説明していましたね。

中学生で、もう潮吹きのメカニズムを説明していたんですか?

そうです。
『性に関することは私に聞いて!』みたいなポジションで、性の先生になっていました。
高校生になっても、性への探究心は止まりません。
学校の先生から相談されることまであったそうです。

恋愛については、どうだったんですか?

かなりストライクゾーンが広かったです。
赤ちゃん、おばあちゃん以外は、だいたいお付き合いしてみたことがあるんじゃないかな。
Sの方ともお付き合いしましたし、Mの方や同性の方ともお付き合いしました。
性に対しては奔放でしたね。
自分の性癖を確立したいという思いが強かったのかもしれません。
初めて出会った「本物みたいな人」
戯正さんの地元は、北海道の道北エリア。
当時はSMやフェティッシュの世界にいる人と出会う機会が、ほとんどなかったそうです。

24、25歳くらいのときに、初めて『本物みたいな人』と出会いました。

「本物みたいな人」というのは?

何が本物なのかは、人によって違うと思うんです。
私の場合は、初めて主従関係を構築した相手でした。
ドミナントの方です。
それまで経験してきた恋愛とは、まったく違う感覚がありました。

私は普段、誰の言うことも聞けないんですよ。
でも、その人の言うことだけは聞いてしまっていました。
一種の洗脳状態とでもいうんでしょうか。
『この人の言うことなら何でも聞ける。うわー! すごい!』って感動しました。
そこから約4年間、主従関係の世界へどっぷり。
しかし、いろいろなことがあり、その方とはお別れすることになります。

忘れられなかったんです。
また、あんな人に出会いたいと思って。
それからいろんな人と会って、関係を結んでみても、『なんか違う?』ってなってしまいました。

なかなか同じような相手には出会えなかったんですね。

そうですね。ドミナントと自称する方でも、そういう行為をしていると『これ、私のほうがうまくないか?』ってモヤモヤすることもありました。」
「変態って、たくさんいるんだ!」

その頃よく遊びに行っていたのが、札幌・すすきのにある「下ネタBAR Blue Joke」。
ご主人様と別れたことを悲しみながら、いろいろと相談していたそうです。

そこで『縄会へ行ってみたら?』って言われたんです。
当時はお恥ずかしながら、縄会の存在も知らなかったんです。
私にとって縄会が、SMやフェティッシュの界隈へ足を踏み入れた最初の一歩でした。
縄会では、さまざまな人と出会いました。

そこで出会ったいろいろな人と、いろいろなことを試しました。
得たものは多かったです。
すごく広い世界を知ることができました。
『変態って、たくさんいるんだ! 普通に世に紛れて変態は生息している!』って知ったんです。
それまでは、自分のことをかなり変わっていると思っていたという戯正さん。

いろんな人と出会ううちに、『あれ? 自分って普通なんじゃないかな?』って思ったりもしました。
北海道から福岡へ
仕事の事情もあり、2024年1月に北海道から福岡へ。

北海道と福岡、実際に暮らしてみてどうですか?

北海道と比べて、福岡が圧勝している部分が多いです。
でも、おいしい水と空気は北海道が最強です。
そして福岡で出会ったのが、Bar エルドラドでした。
最初はスタッフではなく、お客さん。
当時の同僚と一緒に、ふらっと遊びに来たのが始まりでした。
「女王様の卵かもしれないね」

エルドラドで性癖の話になったときに、『私、M女なんです』って話したんですよ。」
そしたらスタッフの方から、『え、Mなんだ? 見た目とか話している感じでSだと思った』って言われて。
当時からSっぽいと言われることも多かったです。
その頃、エルドラドにいたのが以前のオーナー・安奈さんでした。

そのとき安奈さんが、『女王様の卵かもしれないね!!』って言ったんです。
その一言が妙に胸に刺さって。
今でも心に残っています。
私の生き方を変えた一言です。
ちょうどそのとき、店内にはキャスト募集の張り紙がありました。

それを見て、思い切って応募しました。
お客さんとしてふらっと訪れたエルドラドで、人生を変える一言に出会いました。
エルドラドで生まれた「戯正」


「戯正」というお名前には、どんな由来があるのでしょうか?

『正しく、戯れる』です。
名前の由来となったのは、ロックバンド・PENICILLINの元ベーシスト、GISHOさん。
戯正さんはもともと別の名前で活動していましたが、エルドラドへ入店するタイミングで新しい名前をつけることになりました。

当時のエルドラドは二文字の名前のスタッフが多かったので、『二文字以外の名前をつけたほうがいいね』ってなったんです。
スタッフも、それぞれ自分の好きなアーティストや好きなキャラクターから名前をもらっていました。

名前を考えていたときに、ふとPENICILLINのCDが目に入ったんです。
でも、GISHOだとそのまますぎるなあと思って、漢字を当て字にしました。
正しく、戯れる。
それで『戯正』になりました。
「戯正」は、エルドラドで生を受けた名前です。
現在はエルドラドで勤務しながら、イベントやショーにも出演されています。
安奈さんから受け継いだ衣装

この日、戯正さんが着ていたのは、以前安奈さんから譲り受けた衣装でした。
安奈さんがお店を辞めて、しばらく経った頃のこと。
ある日突然、安奈さんからLINEが届きました。

突然、安奈さんから『これいる?』ってLINEが来たんです。
『え!? これ頂いていいんですか!?』って。
私に譲ろうと思ってくれたことが、すごく嬉しくて。涙が出ました。
以前のフェチ天でも、戯正さんは安奈さんから譲り受けた衣装を着て、ショーをしたことがあります。
人から人へ。
衣装とともに、安奈さんが大切にしてきたものも戯正さんへと繋がっているように感じました。
エルドラドは「実家のような場所」

現在は福岡を中心に活動している戯正さんですが、来年には北海道へ戻ることが決まっています。
来年開催されるフェチ天が、福岡での最後のイベントになるかもしれないそうです。

北海道へ戻ってから、やってみたいことはありますか?

将来は、エルドラドみたいな場所を北海道でやりたいです。
エルドラド北海道支部なんていいですね。

戯正さんにとって、エルドラドはどんな場所ですか?

私にとって、実家のような場所です。
だから地元に戻って、同じような場所が作れたらいいなあって思っています。
お客さんとして訪れ、スタッフになり、「戯正」という名前が生まれた場所。
そのエルドラドで得たものを、いつか北海道へ持ち帰ります。
落書きから生まれた「概念さん」

ここからは、少し違ったお話も。
戯正さんには「概念さん」というキャラクターがいます。

概念さんは、どうやって生まれたんですか?

私の落書きから生まれたキャラクターです。
お客様が、その落書きをキャラクターにしてくださいました。
そして取材当日、偶然にも概念さんを形にしたご本人がお店にいらっしゃいました。
なんと、型紙から手作り。
お顔の部分は刺繍で作られています。
最初は戯正さんの絵を見てから、ぬいぐるみの形に仕上げるまで2週間ほどかかったそうです。
現在ではすっかり慣れて、2日ほどで作れるようになったのだとか。
一枚の落書きから、ここまで立派なキャラクターに。
概念さんからも、戯正さんへの深い愛を感じます。
お酒と唐揚げ、そして板チョコ

意外と言われる趣味や、好きなものも教えてください。

お酒が好きです。
ジャパニーズウイスキーが好きで、特に竹鶴。
おいしいお酒を飲むときは、ストレートです。
そして最近ハマっているのが、唐揚げ。

実家を出るまでは、かなりの偏食家だったんです。
食わず嫌いも多くて。
一度何かにハマったら、それしか食べられなかったんですよ。
そんな戯正さんが、中学生の頃にハマっていたのが板チョコでした。

本当に板チョコばっかり食べていました。
板チョコオンリー。
今思えば、板チョコしか食べない中学生がずっとエロトークしてたら、変すぎますよね。
そういう意味だと、かなりの変態なのかもです。
中学生にして、潮吹きのメカニズムを同級生に説明。
食べるものは、板チョコ。
確かになかなか個性的です。
「肉体よりも脳みそ」

最後に、NUKITIMESでインタビューする方へ伺っている質問をしてみました。

戯正さんにとって「快楽」とは何でしょうか?

肉体よりも脳みそです。
私に限らず、全人類、脳を制するものが快楽を制するんじゃないかと思います。
いかに脳を騙せるか。
広い意味での脳イキです。

私は見るのも、自分が感じるのも好きなんです。
例えば乳首も、『気持ちいいもの』という認識が植え付けられているから、気持ちいいのではないでしょうか。
肩もみだって性感帯を刺激しているし、肩もみにそういう認識が植え付けられれば、気持ちよくなるはずなんです。
身体のどこを刺激するのかだけではなく、それを脳がどう受け取るのか。

では、戯正さんにとって「快楽を追求すること」とはなんですか?

脳トレです。
快楽のすりこみ。
脳が騙されるような環境作りだと思います。
中学生の頃から、知らない性事情があれば調べてきた戯正さん。
北海道で主従関係と出会い、縄会で世界が広がり、福岡ではエルドラドと出会いました。
そして来年、再び北海道へ。
「正しく、戯れる。」
エルドラドで生まれたその名前とともに、次はどんな世界へ進んでいくのでしょうか。
いつか本当に「エルドラド北海道支部」が生まれる日も、楽しみにしています。
戯正さんSNS

戯正さん公式X:https://x.com/gishow_drd


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