大阪・梅田の一角に、和室でSMとフェチの世界を楽しめる不思議な空間があります。
その名は「うぶすな」。オープンから6周年を迎えたばかりのこのお店を実際に訪れてきました。
和風SMバーと聞くと「ちょっとディープすぎるのでは…」と構えてしまう方もいるかもしれません。ですが、実際に扉を開けてみると、そこは拍子抜けするほど温かく居心地のいい場所。
常連さんも初めて来店した方も一緒になって盛り上がる、にぎやかで親しみやすい空気にあふれていました。
オーナーは元消防署員のジョニーさん
▲ジョニーさんは力持ち。私もお姫様抱っこしてくださいました。
「うぶすな」を切り盛りするのは、長身で和装の似合うジョニーさん。
元消防署員という異色の経歴の持ち主で、火事が起これば消防車に乗り、レスキュー隊員として活躍していたそうです。
「だから縄は得意なんです」と笑うジョニーさん。
消防の現場でロープを扱ってきた経験が、現在のSMの世界に自然につながっているのだとか。さらに、消防署ではみんなで食事を作る習慣があったため料理の腕も確か。お酒やフードメニューが充実している理由がよくわかります。
▲お酒の種類も豊富。電気ブランもあります。
和風の空間に漂う非日常
▲バーカウンターからはしっかり店内が見渡せる。スタッフの目が届くので安心。
店内に入ってまず驚かされるのは、和のしつらえ。欄間やふすまがあり、まるで旅館に迷い込んだかのような雰囲気です。スタッフも和装で出迎えてくれるため、大阪の中心にいながら懐かしいノスタルジーを感じられます。
▲鞭や竹鞭などスタッフへ声をかけると体験できます。
たたみの向こうにはとりかご、三角木馬、吊床、竹の拘束具、貼り付け台などが並び、視覚的にも非日常を味わえる空間。鞭や縄もあり、目にするだけで気分が高まります。
▲鳥かご、貼り付け台、三角木馬など。
ふすまにはアーティスト・東學さんの作品が描かれており、艶やかな空気を一層引き立てています。撮影利用を希望する方は、店舗のSNSから相談することも可能。
和風の美しい空間は、撮影にもぴったりの舞台です。
▲東學さんのアート作品。
グルメも楽しめるSMバー
▲本日のメニューもあります。
「うぶすな」はSMだけでなく、グルメも楽しめるのが特徴。
火曜日に提供される「ジョニー定食」は、消防署仕込みの実直な味わいで、常連の間でも評判のメニュー。バーでありながら、しっかり食事を楽しめるのも魅力のひとつです。
さらにユニークなのが大人のかき氷。
ジョニーさん自身がかき氷好きで、お酒を使った“ほろ酔いスイーツ”として考案したもの。ここでしか味わえない特別メニューとして人気を集めています。
▲かき氷は絶品とのこと。（筆者は知覚過敏にて冷たいものは食べれない…残念すぎる）
ここだけのお話を聞いてみました〜ジョニーさん〜
今回は、うぶすなのオーナー・ジョニーさんに貴重なお話を伺うことができました。
元消防署員からSMバーのオーナーへと歩んできた背景や、お店に込めた思いについて語っていただきました。
本日はよろしくお願いいたします。まずご自身の性癖について簡単に教えていただいてもいいですか？
SMでいうと僕はSです。20歳前後で“自分の好きなものはSMなんだ”と気づきました。自分ではただの変態だと思っていますが、それが僕にとっては正常なんです。若い頃は、自分のいる世界が全てだったから、逆に周りの人が変に見えていましたね
（実際にお会いしてみると、落ち着いた口調とユーモアのある語り口が印象的。元消防署員らしい頼りがいと、人懐っこさが同居していて、“怖くて厳しいSM界の人”というイメージは一切ありませんでした。)
なんか自分は普通説めっちゃわかります。
縄が好きですか？SMなどで好きなプレイはありますか？
縄を扱うこと自体は消防の仕事で経験がありました。得意分野ではありますが、縄に限らず、枠にとらわれずいろんな世界を楽しむのが好きなんです。SMは難しく考えるものではなく、ここではもっと自由に、それぞれの楽しみ方を見つけてもらえれば嬉しいです。
素敵ですね。来店するお客様については、ライト層、ヘビー層だとどちらが多いですか？また、HPには中国語、英語などありますが、海外から遊びに来る方もいらっしゃいますか？
ライト層とヘビー層がちょうど半分くらいです。SMをまったく経験したことがない方も気軽に入ってきてくれます。海外からのお客様も多くて、この前はオーストラリアから2m超えの女装好き男性が来店されました。僕（180cm）でも見上げるほどで、しかもすごく綺麗なお尻をされていました。また来られないか楽しみです。
2mを超えている方自体もなかなか会えないですよね。背が高いとおしりの位置が高くて見やすそう！こちらの店舗ならではの特徴を教えてもらってもいいですか？
BARなのでお酒や料理もしっかり楽しめます。あとはコスプレの数とサイズが豊富で、夏は浴衣もたくさん揃えています。衣装から入って楽しむのもおすすめです
▲浴衣。どれもかわいい。
▲更衣室も和風で素敵です。
更衣室もきれいでいいですよね。浴衣もたくさん！！初めて来店する方へ向けて一言いただいてもいいですか？
初めて来る方は“敷居が高い”と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ふらっと遊びに来ていただければ、スタッフや常連が自然に迎えてくれます。SMを体験しなくても、お酒を飲んで和室の雰囲気を味わうだけで十分楽しめますよ
和風の店舗というだけで、本当に居心地がいいですね。なんかおばあちゃんちにきたような懐かしさがあります。海外からの来られた人も”The日本”な雰囲気が癒やされる気がします。
ジョニーさんにとって真面目に快楽について追求すること（NUKITIMESのテーマ）についてどう思いますか？また、あなたにとって快楽とはなんですか？
僕にとって快楽は一生涯追い求めるもの。貪欲に追いかけることで、新しい世界とも出会える。そんな余生を過ごせたらいいですね
今日は貴重なお話をありがとうございました。
※このあとは、お客様といっしょにワイワイ楽しみました。
ほんとに居心地が良くて、店舗での時間がすぎるのが早すぎてびっくりしました。
いろいろなお客様との出会い
▲店内の雰囲気。
私が訪れたのはお昼の14時。オープン直後にもかかわらず、常連さんや初来店のカップルで店内はすでに賑わっていました。
特に印象に残ったのは、カップルが「初めてのキンケリ」に挑戦していた場面。女性が高笑いを響かせ、周囲の常連さんも一緒に盛り上がる光景は、とても温かく開かれた雰囲気でした。
途中、常連さんが持ってきたフルーツ大福をみんなで分け合う一幕も。SMバーというより、ホームパーティーに紛れ込んだような感覚で、初めてでも安心できる空気が漂っていました。
▲私は大好きなフルーツのいちじくをいただきました♡（取材メモの字が汚い…）
さらにこの日は、ジョニーさんの受け手であるyuuさんも来店。普段は聞けないような裏話を伺うことができ、貴重な体験となりました。
▲うぶすなの6周年イベントももうすぐ。ジョニーさん＆yuuさんのショーもあります。
実はジョニーさん、他店とのつながりも深く、Bar天獄にある極悪拷問椅子などは彼の制作によるもの。道具や空間づくりを通じて、SMカルチャーの奥行きを支えている存在でもあります。
▲この椅子はジョニーさん作。
Bar天獄での極悪拷問椅子体験談は ⇒ コチラ
まとめ〜和のテイスト満載の癒し空間〜
「うぶすな」は、和風空間で非日常を味わえるだけでなく、料理やお酒、ユニークなかき氷も堪能できる多彩な場所。ジョニーさんの人柄とスタッフの優しさ、そしてお客様どうしの温かい交流が重なり、刺激と居心地の良さが同居しています。
大阪で“ちょっとディープな時間”を過ごしたい方はもちろん、SMに興味があるけれど未経験という方にもおすすめ。
私自身、実際に訪れてみて、SMバーに抱いていたイメージが良い意味で大きく覆されました。
あなたもぜひ一度、この和の異空間に足を運んでみてください。きっと新しい世界との出会いが待っています。
うぶすな 和風フェチ＆SMバー
住所：大阪市北区堂山町16-19 イワタ会館3階303
営業時間：
月曜 定休日(祭日は営業)
火曜～木曜 14時～22時
金曜、土曜 14時～24時
日曜 18時〜24時
料金：
チャージ(フリータイム)
男性 4500円
女性 1800円
女装 3500円
ソフトドリンク500円～
アルコール 800円〜
かき氷 1300円〜
不定期火曜にジョニー定食提供あり。
公式HP：https://ubu-suna.com/
公式X：@UbusunaBar
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