【宇宙】ペヨーテ(幻覚サボテン)を探しに砂漠へ

幻想的な砂漠の夕方時。巨大サボテンがそこら中に生えている

トラルパン通りで女性と遊んでから数日後、メキシコ中央部に位置する広大な砂漠地帯、レアル・デ・カトルセへと向かった。目的は、先住民ウイチョル族が「神の肉」と崇める伝説の幻覚サボテン、「ペヨーテ」を体験することだ。

念のために断っておくが、これは単なるドラッグ・レポートではない。メキシコでペヨーテは、先住民たちが神聖な儀式に使うためだけに守り続けてきた、とても特別なサボテンだ。 これは、一人の旅人がサボテンを通して、不思議な世界に触れてしまった、忘れられない体験の記録として読んでほしい。

標高2700メートルのゴーストタウン

レアルデカトルセの街並み

サンルイスポトシ州にあるレアル・デ・カトルセは、かつて銀鉱山で栄えた「石造りのゴーストタウン」だ。全長2キロを超える暗いトンネルを抜けると、そこには中世のスペインにタイムスリップしたかのような街が現れる。

だが、ここを訪れる世界中のバックパッカーたちの真の目的は、街の背後に広がる広大な砂漠「ウィリクタ」にある。そこは、ウィチョル族が何百年も前から巡礼に訪れる聖地であり、宇宙と交信するためのゲートが開く場所だと信じられている。

僕はそこで、現地ガイドのホセと出会った。顔中に深いシワがあり、いかにも「砂漠の主」といった見た目の男だ。「準備はいいか。ペヨーテはお前を呼んでいるときにしか見つからないぞ」という彼の言葉に、とてもワクワクしていた事を覚えている。

砂漠での「宝探し」

ペヨーテ探し

翌朝、ボロボロのジープの荷台に揺られて砂漠へ向かった。見渡す限りの茶色の大地と、不気味にそびえ立つ巨大なサボテン。強い日光の下で、地面を這いつくばるようにしてペヨーテを探す。

「あったぞ」

ホセが指差した先には、トゲのない、平べったいボタンのような緑色の塊があった。これがペヨーテだ。直径は5センチほど。中には強力な幻覚成分「メスカリン」が凝縮されている。僕たちは、まず大地の神に煙草の煙を吹きかけ、感謝を捧げてから採取した。

ナイフで根元からスライスすると、中から粘り気のある白い汁が溢れ出す。それをそのまま口に運ぶ。味は、とにかく苦くて、全く飲み込めない。噛めば噛むほど吐き気が増してくるが、ホセは「飲み込め、それが浄化だ」とだけ言う。数個を食べ終えた1時間後に、サイケデリック・ジャーニーが幕を開けた。

ペヨーテの発見

肉体の解体と、やってきた「変化」

食べてから1時間くらい経った頃だろうか。砂漠のど真ん中で、とてつもない吐き気が襲ってきた。胃の中がひっくり返るような衝撃。僕は砂の上にひざまずき、胃にあるものをすべてぶちまけた。

だが、不思議なのはそこからだ。全部出し切った瞬間、さっきまでの身体の重さが嘘みたいに消えて、意識が急にフルスピードで動き始めた。

まず、目に見える景色が変わった。 そこらに転がっている岩の表面が、まるで生き物みたいにゆっくり膨らんだり沈んだり、呼吸を始めたように見えた。足元の砂の一粒一粒が、完璧な形をしたダイヤモンドみたいにキラキラと輝き出す。まるで万華鏡の世界にいるみたいに。遠くの山も、ただの山じゃない。呼吸をしているかのように見えた。

試しに目を閉じてみると、そこには現実よりもずっと「本物」に近い、ものすごい色の世界が広がっていた。アステカやマヤの模様みたいな幾何学的なパターンが、とてつもないスピードで脳の中に流れ込んでくる。目で見ているというより、脳に直接ハイビジョンの映像を流し込まれているような、そんな感覚だった。

宇宙と一体になる瞬間

時間の感覚は完全におかしくなった。1秒が永遠みたいに長く感じることもあれば、数時間が一瞬で過ぎ去ってしまうこともある。 風が吹くと、その音が「色」になって目の前を流れていく。音が見えて、色が聞こえる。これがいわゆる「共感覚」というやつらしい。

だんだん、自分という人間の「境目」がなくなっていくのが分かった。砂漠の熱風に溶けて、自分が消えていく。自分はもう自分じゃない。足元の砂や空を飛ぶ鳥、この大地そのものと混ざり合ったような感覚だ。

その時、一つの答えが頭の中に浮かんだ。 「ああ、全部つながっているんだ」 普段なら「スピリチュアルすぎて笑える」と思うような言葉だけど、この時の自分には、そう感じていた。

トラルパン通りで美女を抱きまくって欲望に溺れていた自分も、日本の社会で働いていた自分も全部、壮大な宇宙の大きな流れの中にある、ほんの小さなゴミみたいなものに過ぎない。そう思ったら、なんだかすごく楽になった。

僕は砂の上に大の字に寝転んで、この世界があまりにも綺麗にできていることに感動して、ただただ「ありがとう」と感謝していた。

砂漠の夜

太陽が地平線に沈み、砂漠の夜が始まる。ペヨーテの作用時間は、大体12時間ぐらいなので、摂取から8時間を過ぎてもまだトリップをしていた。

夜の砂漠は、昼間とは正反対の顔を見せる。満天の星空が今にも落ちてきそうなくらい近くに見えて、サボテンの影がゆらゆらと踊っている。焚き火を囲むホセの顔が、時々、ジャガーの様な顔に見える。

「いいか、若いの」 ホセが低い声で言った。 「この砂漠で見たものは、ここだけの秘密にしておけ。ここは神様の場所だ。でも、街へ戻れば現実が待っている。

その言葉を聞いた瞬間、メキシコシティーで美女と遊んでいた光景が浮かんだ。 トラルパン通りで客を待つ美女たち。彼女たちを陰から監視するマフィア。金をむしり取る支配者たち。宇宙の不思議な現象と、裏社会の生々しい現実。その両方がめちゃくちゃに混ざり合っているのが、メキシコという国の本当の姿なんだろうか。

翌朝、目が覚めると、頭の中は驚くほど静かで、視界はこれまでにないほどクリアだった。昨日のあの爆発的な色彩や宇宙との一体感は、幻のように消え去っていた。レアル・デ・カトルセの街に戻り、最初に見つけた食堂でボロボロのタコスを食べる。いつも通りの世界が待っていた。

体験を終えての、アドバイス

最後に、もしこの世界に興味を持った人がいたら、伝えておきたいことがある。ペヨーテは、決して「ただの遊び」で手を出していいものではない。

「心のダメージ」。 自分のプライドや思い込みが壊れていく感覚は、人によっては「狂ってしまうんじゃないか」と思うほど、とんでもない恐怖になることがある。心が不安定な時に安易に手を出すと、元の自分に戻ってこられなくなるリスクだってある。

「周りの危険」。 今、ペヨーテは絶滅しかけていて、先住民以外が採るのは厳しく禁止されている。怪しいガイドに騙されて強盗に遭ったり、警察に捕まったりするトラブルも、この辺りじゃ日常茶飯事でよく聞くので注意した方が良い。

「体のキツさ」。 強烈な吐き気からは逃げられない。「毒出し」なんて言われるけど、実際は吐きすぎて、水分が足りなくなって命を落とす危険すらある。たくさんの水を持っていくのがおすすめ。

メキシコは、エロい誘惑もあれば、暴力の影もあり、そして神秘的な宇宙も混ざり合っている不思議な国だ。マフィアに支配されている美女たちと、砂漠で眠る神聖なサボテン。この光と影の両方を知ってこそ、メキシコの本当の深さがわかるんだと思う。

コメント

たまには刺激的なご褒美がほしい人にオススメ

簡単無料で始められるオンラインスロット。

片手間に遊んでお小遣いたっぷりGETのチャンス!

タイトルとURLをコピーしました