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フェチグッズの世界|ゑ悟裟堂・板尾さんと探るSM道具の奥深さ


「快楽を追求することは、人生を楽しむ秘訣のひとつ」

__そう語るのは、顔出しはされていないが、優しい関西弁のダンディな板尾さん。

九州のフェチ職人展で目にした、美しい鞭や竹鞭、メタルケイン。
その作り手と、前回の鞭教室で偶然再会することに。
さらには話が弾み、取材をさせていただけることになりました。

今回は、職人としてのこだわりや、SMと快楽の奥深さについて、たっぷりお話を伺いました。

 

SM道具作りのきっかけ


▲アクセサリー系アイテム。マカロンの口輪、いちごの口輪などかわいいものもあります。

-まずは、鞭やメタルケインを作り始めたきっかけを教えてください。

板尾さん
作り始めてもう20年ですね。最初のきっかけは、鞭職人のワークショップに行ったことでした。
そこで鞭づくりを習い、「自分でも作ってみたい」と思ったんです。
もともと工芸科の学校に行っていたこともあり、得意だったので。

-最初はどんなものを作っていたんですか?

板尾さん
ミニチュアサイズの鞭を作っていました。周りの人が欲しがって、プレゼントしていたらだんだんと広まっていき、その後、革を使ったアクセサリーを作るようになり、気がつけばSM道具づくりがメインになっていました。
リクエストなどを受け付けることもあります。

-1本竹鞭を作るのにどれくらいかかるんですか?

板尾さん
乾かす時間を含めて3日くらいですね。通しで作れば4~5時間ほどで完成します。

-デザインがすごく素敵ですが、素材にもこだわりがあるのでしょうか?

板尾さん
そうですね。着物の生地やハギレを使っています。
イメージに合うものを見つけたら購入しています。

 

ゑ悟裟堂(えごさどう)の始まり


▲ゑ悟裟堂のイメージを表している竹鞭。

ゑ悟裟堂(えごさどう)の名前は、快楽を追求するサディストの意味を込めた造語から生まれました。快楽だけが好きなMのことをエゴマゾというのですが、それの対義語。
Sは「サービスのS」と言われることが多いですが、「自分のしたいことをするエゴなサド」という意味を込めています。

-「ゑ悟裟堂」てなかなか難しい書き方ですよね?

板尾さん
そうなんですよ。「ゑ悟裟堂」と「ゑ悟娑堂」の2種類の表記が以前はありました。
漢字の違いにあまり気づかずに両方使っていました。
名刺にも違う表記のものがありましたね。今は統一しましたけど、昔の名刺を持っている人はかなりレアです。
漢字は当て字で、和風でかっこいい見た目の文字を選んでいるんですよ。
そして、最初はiモード時代のウェブストアから始まりました。

「黒に桜」がメインの柄。桜はゑ悟裟堂のシンボル。
名刺のデザインも桜です。黒に赤が1本だけ入った竹鞭はゑ悟裟堂の世界観を表せているかなと思います。

以前はNJ-WORKSというブランド名だったのですが、和のテイストのブランド名ではないと思ったので、ゑ悟裟堂を立ち上げました。
和柄作品のアイテムはこちらから発表しています。

— お写真をみせていただく —
-この猫の手のようなものはなんでしょうか?かわいいですね。

板尾さん
これは猫の手パドルです。
爪部分でぞわっと引っ掻いて、肉球部分で叩いて、手の甲に当たったらファーで優しく。
色も可愛いので、女性からも人気があります。


▲機能性も抜群で、見た目も可愛い。

メタルケインとはなんでしょうか?

板尾さん
メタルケインは叩く道具としても使えますが、おもにはゾクゾクするための道具です。
つーって体中を這わせます。
鬼畜バージョンの6mmとスリムバージョンの4mmを作っています(鬼畜バージョンは叩くと痛い)。
脳イキさせるための道具としても使えるんですよ。冷たい感触がくせになる。


▲メタルケインは見るだけじゃ魅力はわからない。実際使ってみることをおすすめします。

-脳イキとは一体なんのことでしょうか?最近よく聞くのですが、いまいちなんのことかがわかっていなくて…

板尾さん
催眠や暗示に近いですね。直接性器を触らずにイかせる技術です。

-どうやって脳イキさせるんですか?

板尾さん
イッた経験がある方なら誰でも体験できます。
メタルケインを使ってゾクゾクさせながら性感帯を探し、そこを重点的に攻めます。
メタルケイン特有のひんやり感が感度を高めるんですよ。
鞭とか縄でイかせるのと一緒。SMは痛いだけではなく、気持ちいいからみんな虜になる。
プロの縄師、SMを生業としている人は脳イキをさせることができますよ。

-めっちゃ気になります。いつか体験してみたい。

板尾さん
ゑ悟裟堂ではユーザーさんの声を取り入れて商品を制作することが多いです。
パドルはかまぼこ板、ようかんなどと形によって名称をつけていただき楽しんでいただいています。
1本ムチも切れるような痛みが好きな方、重い痛みが好きな方などそれぞれいらっしゃるので、かゆいところに手が届くSMグッズを作っていますよ。

 

板尾さんとSMの出会い


▲以前鞭教室で板尾さんにやっていただいた捕縛。

板尾さんがSMの世界に入ったきっかけを教えてください。

板尾さん
もともとはスパンキングが入口でしたね。
他にも目隠しやホテルの浴衣の紐での拘束、ドライブ中の露出といったプレイを楽しんでいました。
当時はそれをSMとは認識していませんでした。20代後半だったかなあ。

-そこからどうやってSMと認識して、交流を持っていくのでしょうか?

板尾さん
まだインターネットが普及していなかったため、新聞広告や雑誌の隅っこにSMバーの情報が載っていたんです。
それを見て興味を持ち、ふらっと入ってみたのが最初ですね。そこでいろいろと学びました。

-勇気がいりそうですね。

板尾さん
そうですね。
当時は口コミやSNSもなく、店舗の情報を得るのも大変でした。
でも、東京出張の際にはFetishバーに行くことが多く、今とは違ってなんでもありの時代でした。
隣でセックスしている人がいる横で、普通におしゃべりしながらご飯を食べる、そんな空間でした。

-めっちゃ楽しそう。今はなんでも規制が厳しいですからね。
板尾さんはSですか?Mですか?

板尾さん
多くの人はSとMを両方持っている。
S多め、M多めみたいな。
特に職業女王様は、Mを持ち合わせていることが多いですね。
SM系のお店は最初はM嬢として入店することが多く、その後に様々なスキルを習得してS嬢、女王様になっていくのが定番の流れ。
ただ、仕事でS嬢をしていると自身を満足させれる程のご主人様に出会うことが難しく、S道を突き詰めて行く人も多いんです。
自分のスキルがあがると、中途半端なSじゃ満足できないんですよ。
ただ、僕は100%のSですが…。

 

ひみえごはなんだ?


▲以前フェチ職人展でいただいたもの

-「ひみえご」というイベントを開催されていると聞きましたが、どんな活動なんですか?

板尾さん
もともとはゑ悟裟堂の商品を試してもらう会として始めたんですが、今では性癖交流会のようなものになっています。
みんなでご飯を食べるのが楽しみという人もいますね。

— チラシをみながら —

-くすぐりプレイもあると聞きました。AVでよく見る絶頂に達しそうになったらくすぐっていくあれですか?

板尾さん
実は、ひみえごのくすぐりプレイはAVなどでよく見るやつとは違います。
くすぐりという行為自体に快感を持てるようにしていく。
メタルケインなどとよく似ているのですが、指先で触れるか触れないか程度に触って、性感帯を開発していきくすぐり自体を快感へ。

板尾さんに私の手のひらで実演してもらう —
板尾さんの手が、ゆっくり力強く触ったり、触れるか触れないかで素早く触ったり、途中で止めながらなど…。
なんともいえないゾワゾワ感が。
手がいーーってなる感触。
触り方一つでこんなに体への印象が違うなんてびっくりだと身を持って体感しました。
これを全身に受けたら新しい快楽の扉が開きそうです。

 

真面目に快楽について追求すること(NUKITIMESのテーマ)について


▲一番人気のメタルケイン。

-「快楽を真面目に追求する」というテーマについて、どう考えていますか?

板尾さん
人それぞれ、快楽の糸口は様々です。
それをいかに見つけられるかが、人生を楽しく過ごす秘訣だと思います。

-なるほど、実際に体験してみないと気づけないこともありますよね。

板尾さん
そうなんですよ。鞭やメタルケインのイベントだと、大体2~3分間商品をアピールできるチャンスがあります。
その短時間で、体験者さんにいかに気持ちよくなってもらえるかが大事なんです。

-そんな短い時間で効果が分かるんですか?

板尾さん
1分以内に反応を引き出せるかが鍵ですね。
「30秒捕縛」というのも、そこから生まれました。
メタルケインの場合は、まずファーストタッチで反応を見ます。
無反応な人の中にも、何も感じていない人と、快感を我慢している人の2種類がいるんですよ。

-我慢している人の快感を引き出すには?

板尾さん
我慢しているので気持ちいいところを探すのが難しいですが、耳や首筋といった王道の性感帯を「ツーッ」と刺激してゾクゾクさせます。
メタルケインのひんやりとした質感が、より感度を高めるんです。

-なるほど、それを繰り返して性感帯を探していくんですね。

板尾さん
そうですね。メタルケインは手に取るだけでは良さがわかりませんが、実際に体験するとみんな購入するんですよ。
メタルケインならではの快感に、思わず声を上げてしまう人も多いですね。
ぜひ一度「ゑ悟裟堂」の道具を手にとってみてください。

-本日はお時間をいただきありがとうございます。
また、色々とお世話になることもあると思いますが、今後ともよろしくお願いします。

— このあとは一緒に楽しく雑談や私の性の悩みを聞いていただき楽しい時間を過ごしました —

***
公式Xに各種イベントに出演される情報や、公式ショップの情報も書いてあります。ぜひチェックしてみてください。
板尾さんの公式Xはこちら:https://x.com/ITAONJ

まとめ~プロの職人レベル星5 ☆☆☆☆☆~

単純な快楽だけではなく、新しい快楽を生み出す鞭やメタルケインという道具の奥深さと、それを追求する職人・板尾さんのこだわりに触れることができました。
実際に触れて、使ってみることで、新たな快楽の扉が開くかもしれません。
ゑ悟裟堂の作品は、美しさと機能性が共存したアートともいえる存在。そして、それを生み出す板尾さんの経験や技術、遊び心が詰まっています。
「気持ちいい」の感じ方は人それぞれですが、好奇心を持っていろいろ試してみることで、新たな世界が広がるかもしれません。
少しでも興味を持ったなら、まずはゑ悟裟堂の作品に触れて、その世界を体験してみてはいかがでしょうか?

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