
(HAKATA FETISH HEAVEN Vol.11/OPEN 17:00)
今年も、あの賑やかな欲望カーニバル「フェチ天」の季節がやってきました。
会場に一歩入れば、ライトと音と香りがぐっと交じって、あの独特の“フェチ天の空気”がすぐに身体にまとわりついてくる。
この瞬間の高揚は、何度味わってもクセになります。
前回に続き、今回も取材という名のもとに“自分の好奇心”を連れて参戦してきました。
今年はどうやら全体的に“布多め”。
参加者の方曰く「寒いからね」とのこと。そんな季節感の出し方、嫌いじゃないです。
そして今年も、場内は完全撮影不可。
写真はすべて公式カメラマンの HBK!(ひびき)さん が撮ってくださるため、参加者はスマホを構える必要もなく、ただ目の前の欲望に集中できる。

“撮られない安心感”と“プロが残してくれる美しい記録”の両方があるのは、フェチ天ならではの嬉しいポイントです。今回のお写真もHBK!さんが撮影してくださったものを使用しています。
今年も、濃度の高いフェチがたっぷり詰まった夜でした。
- 会場入り|フェイクタトゥー&リアルタトゥーでスイッチが入る
- 胡蝶さん|美しい赤い衣装がゆっくりほどけていく妖艶バーレスク
- 戯正さん|学生服×赤黒の縄がつくる地獄美
- ファッションコンテスト|混沌は今年も健在
- DJタイム|KxT a.k.a らぁきんす さんの音に身体がほどける
- ちんこテキーラ|今年もちゃんと“お祭り”
- フェチ天バンド(安奈さん臨月スペシャル)
- AMURO & aoi(熊本シークレット)|静かな主従の濃度
- 蜂鳥あみ太=4号|地獄シャンソンで場の濃度を一気に上げる
- 三芸色ぺこ|彫師が描く、美しくて静かで力強い緊縛
- ファイヤーヨーコ|ラスト福岡と“幸運の鉛筆”
- 出展ブース紹介
- まとめ|フェチ天は、やっぱり天国でした
会場入り|フェイクタトゥー&リアルタトゥーでスイッチが入る

まずは、Fake Tattoo 光葉さんのところへ直行。
昨年のことを覚えていてくれて、「今年も来てくれたんだね」と迎えてくれるあの優しさが本当に嬉しい。
フェイクタトゥーは、身にまとった瞬間に“今日の自分の方向性”がすっと決まる感じがあって好きです。
数日で消える儚さのある自分のフェチポイントになってくれる。

顔にタトゥーを入れるのは、なかなか難易度が高いためフェイクタトゥーで自分らしさのアピール。
そして今年はもう一歩踏み込んで、タトゥースタジオ沐 moku の まるちゃんにリアルタトゥーもお願いしました。

元Webデザイナーらしい繊細な線の感覚で、こちらの好みをそっと汲んでくれる相談のしやすさが心地いい。そしてまるちゃんは旅人。お話をしているだけで、楽しい。

針が入る最初の刺激に、「ああ、今日という夜が本当に身体に残るんだな」と思った瞬間がわくわくしました。
仕上がりを見たときの満足感はしばらく忘れられそうにありません。
胡蝶さん|美しい赤い衣装がゆっくりほどけていく妖艶バーレスク

胡蝶さんのステージが始まると、空気がすっと変わる。
白い肌、黒いランジェリー、深い赤のドレス。
色が重なるたびに会場の視線がひとつに集まっていく。

椅子を小道具というより“相棒”のように扱って、流れるように振り付けが続く。
二曲目では紫のフェザーファンを使って艶っぽく風を切り、赤いドレスを脱ぎ捨てた瞬間に、空気がひとつ揺れる。

終演後に話しかけていただき「椅子の調子が悪くて、壊れるんじゃないか怖かった」とのこと。
あんな完璧なステージの裏でそんな心配をしていたなんて、一切わからなかったです。
戯正さん|学生服×赤黒の縄がつくる地獄美

続いては戯正(ぎしょう)さん。
エルドラドスタッフさんで、2025年にSMショーデビューしたばかりの新鋭。
今回は二回目のステージだったそうです。
縄の入り方が本当に綺麗で、胸元は赤、下半身は黒。
縄パンツが照明で浮かび上がると、紅黒の彫刻みたいな身体ができあがる。

床に転がしてのばら鞭、立たせての縄の続き、吊り、蝋燭、一本鞭…。
赤黒の蝋が太ももに落ちるたび、受け手さんの身体が小さく震えて、その“揺れ”がステージ全体の緊張に変わる。
そして私はひとつ、胸がじんわり熱くなる出来事がありました。
戯正さんが身にまとっていた黒い衣装が、以前 安奈さんがショーで着ていたものだったと気づいた瞬間です。

布ってただの素材じゃなくて、そこに触れた人たちの熱や記憶がほんのり残ることがあって、そのバトンが自然と戯正さんに渡っていたことが、なんだかとても嬉しかった。
受け手さんは学生服かつベビーフェイスで、合法ショタの香りが漂う。
ショーのあとにMC のエリザ・エロザさん が「中学生に見えるけど成人です」と場をふわっと和ませる。
しかも受け手さんは、 その後もイベント中ずっと後ろ手縛り。
長時間縛っていても大丈夫な戯正さんの緊縛の技術にも感動しました。
ファッションコンテスト|混沌は今年も健在

- ・バンドのボーカルの2人組
- ・aoiさんの応援に着物で来た方
- ・ロビンマスクの男性
- ・ズベルタさん
- ・歯の衣装の女性
などなど今年も個性豊かなファッション自慢が揃います。

筆者はファッションコンテスト開催時に、タトゥーを彫っていたため投票ができなかったのですが、優勝者は歯の衣装の女性。
14票を獲得して文句無しの優勝でした。
優勝者には、豪華な景品がプレゼントされました。
意味より視覚が先に殴ってくる。この混沌こそフェチ天。
DJタイム|KxT a.k.a らぁきんす さんの音に身体がほどける

音を操るのはKxT a.k.a らぁきんすさん。
フェチ天の熱と空気をちゃんと見て、必要な温度の曲を置いていくタイプ。オールジャンルの曲を巧みに操ります。
強いキックで身体が勝手に揺れて、ゆるい曲だと肌がふわっと緩む。
音に浸かりながら、いろんな人と話せるのもDJタイムの醍醐味です。
縄好き、革フェチ、初参加の方……。
違う嗜好の人たちが同じリズムで揺れるあの時間、やっぱり好きです。

私の大好きなR指定の國立少年-ナショナルキッド-が流れたときはものすごくテンションがあがりました。
ちんこテキーラ|今年もちゃんと“お祭り”

説明不要のフェチ天名物。
可愛い女性に男性器が生えて、そこからテキーラが発射されます。
エリザさんの「うまく飲めないと顔射スタイルになるよ」で空気が一段階上がる。

縛られたまま飲む姿や飲ませる手元の淫靡さ。
あの独特の“ふざける真剣さ”が成立しちゃうのがフェチ天。
今年はタトゥーを入れたあとで飲めず、見守る側でしたが、それでも十分に胸が熱くなる時間でした。
フェチ天バンド(安奈さん臨月スペシャル)

本来なら安奈さんの緊縛ショーの時間。
でも今年は安奈さんが臨月。
「ステージには立ってほしい」
「でも無理はしてほしくない」
そんな中で戯正さんの提案で生まれたのが、このフェチ天バンド。
- ボーカル・安奈さん
- ベース・戯正さん
- ギター・さかのじさん
- ドラム・るるさん
とギターのさかのじさん以外は女性で構成されています。

flower、本能、甲賀忍法帖。
生音で響く安奈さんの声は力強く、普段話される可愛らしい感じからは想像できないかっこいい歌声でした。
安奈さんを思うみんなの優しくて、温かいとても特別な時間でした。
AMURO & aoi(熊本シークレット)|静かな主従の濃度

aoiさんが白いワンピースを自分で脱ぎ、AMUROさんが首輪をつける。
その瞬間、空気がぴんと張る。
逆さだったり、ずっとつられていたり。かなり際どいシーンもたくさんありました。
ネクタイで口輪、首輪を咥える、一歩間違えば危険な一本鞭。

aoiさんの苦しそうな息遣い、AMUROさんの優しい紳士な微笑みのギャップに見ているこちらが、呼吸するのを忘れて世界に入って行く。
aoiさん目線で見ていると息が苦しくなり、AMUROさん目線で見ているといい子に頑張っているなと笑顔になってしまう。

うまく言葉にするのが難しいのですが、2人の信頼関係、主従関係がないと絶対に成り立たない静かな美しさがありました。

チップタイムでは、aoiさんがひざまずいてAMUROさんの足に頬を寄せていた姿がとても幸福そうで忘れられません。
色々な幸せの形があるとフェチ天の醍醐味を感じました。
蜂鳥あみ太=4号|地獄シャンソンで場の濃度を一気に上げる

全身網タイツで、あの声量。
AMURO & aoiさんの作ったぴりっとひりついた空気を一気に爆笑の渦へ。
エジプトのシャンソンから始まるあみ太さんのステージは、今年も相変わらず“濃度”が高め。
恋狂いの歌、ケシの歌とアヘンの話、ポーランドの“頭がおかしい女”の歌レベッカ。
歌とトークが入り混じって、脳にじわじわ染み込んでくるような時間でした。

顔と顔がくっつきそうな距離で歌ってくれる濃厚接触サービスが。私の眼の前にあみ太さんが現れたとき、思わずきゃあと叫んでしまいました。すごい迫力。
あみ太さんとともにステージにたつのは、アコーディオンの田村賢太郎さん。無口でクールな田村賢太郎さんとあみ太さんのパワフルで熱さのあるステージは圧巻です。

最後の曲が終わる頃には汗だくで、網タイツは「全身お財布」と自ら言っていたのが印象的。チップを網タイツへ入れに行ったとき、タイツを触るとしっとりとして、肌は汗の粒が吹き出ていました。

実は、この日はあみ太さんはライブ11連チャンの最終日。そんな風には見えないパワフルパフォーマンスにびっくり。
三芸色ぺこ|彫師が描く、美しくて静かで力強い緊縛

受け手さんのダンスから始まり、それを静かに正座で見つめるぺこさん。
受け手さんのダンスは前衛的でコンテンポラリーダンスのよう。
そこからしっかりと縛る縄がひとつずつ正確で、丁寧で力強い。
太ももに締まるときの“きゅっ”という感覚が伝わってきそう。

足を折った体勢のまま、太ももの間までしっかりと、縄を通していく。
縄を抜くときに生まれる擦れの痛みで漏れる声が、とてもリアル。

三芸色ぺこさんは、緊縛師だけではなく彫師としても活動している方。
そのバックグラウンドを感じさせるほど、縄のラインがとにかく美しいのが印象的でした。
おしゃれで、背景や音楽のセレクトも含めてエロではなくアートの世界。
縄の処理も作品の一部となっていて、2人の作る芸術をもっともっと見たくなりました。
ファイヤーヨーコ|ラスト福岡と“幸運の鉛筆”

鉛筆を三本折り、スプーンを曲げ、火を噴き、あらゆる芸を笑顔でこなす伝説の花電車芸人・ファイヤーヨーコさん。
2025年12月でパフォーマーからの引退を表明されていて、今回が福岡でのラストステージ。
“日本一小陰唇が長い女”と自己紹介をして、会場内を爆笑に包み込む。
強靭な肉体、トレーニングをしたヨーコさんにしかできないオリジナルの芸を堪能します。引退まで、あと少しなんてさみしい。

お話は、軽快でブラックジョークも散りばめられてこれぞヨーコ節。
引退後について、語られた内容はぐっと胸にくるものでした。
長年のファンの方が糖尿病で失明されたこと。
かつては全盲の方がやっている鍼灸院などが身近にあったのに、今はそうした職場がほとんどない現実に驚いたこと。
そこから「視覚障がい者が働ける場所を作りたい」と考えるようになり、2026年には北九州・小倉にマッサージ店をオープン予定であること。
これまでショーで47都道府県を回ってきたけれど、引退後は“店舗”で47都道府県を回りたいと話す姿が、とてもまっすぐで格好よかったです。
そして私は、ヨーコさんの“幸運の鉛筆”をゲットしました。
この鉛筆、たぶんずっとお守り。これから私の人生は上向き間違いなし!
出展ブース紹介
今回もフェチ天には、緊縛ブース、フェイクタトゥーブース、タトゥーブース、鞭ブースなど多種多様なお店が出店していました。
各ブースごとにそれぞれのフェチ特性に特化した世界が爆発していました。
Fake Tattoo 光葉

少しの間あなただけの“フェチの印”をくれるフェイクタトゥー。
窓際工房

見ただけで“通じ合う”美しい鞭。キーホルダーなどの小物も素敵。
武田亨龍

痛みだけじゃない、身体を読む優しい縄。蛍光縄で、フェチ天でもインパクト大。
tusu

指先の人格が変わる高品質エナメルグローブ。見ているだけ甘美な気持ちになれる。
タトゥースタジオ沐 moku

旅する彫り師まるちゃん所属。私はリアルタトゥーを入れました。この日は、mokuの彫葉さんも一緒に参加されていました。
まとめ|フェチ天は、やっぱり天国でした
縛り、布、火、声、肌、汗。
好きの種類は違っても、一晩で全部混ざり合っていく。
その混ざり方が優しくて、しなやかで、自由なのがフェチ天。
今年は安奈さんが臨月で緊縛ショーはお休みだったけれど、
代わりに生まれたフェチ天バンドが、“形を変えても好きは続くんだよ”と語りかけてくるようでした。
また来年、この天国で。


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