
前編では、熊本シークレット10周年の立ち上がりから、リタゴールディーさん、SIVAさん、飛室イヴさん、若林美保さんという象徴的なステージ、フェティッシュな物販までを追いました。
ここから先は、その熱を引き継ぎながら、より自由により濃く、それぞれの表現が交差していく時間です。
▷熊本シークレット10周年|フェティッシュな祝祭のはじまり(前編)
世界観を預け合う関係性。マリンママ × つむぎ

次のステージを前に、音源トラブルが起こります。
一瞬、会場に間が生まれたそのとき、西口ゆかさんが「音ちゃうでー」と声をかけ、場内に笑いが広がりました。
MCの松本格子戸さんも、「こういうのも生ならではですね」と拾い上げ、軽快なトークで空気を切り替えていきます。
「つむぎさんの表情、すごくいいですよね」
「フェティッシュが盛り上がるところって、だいたい女の子が一番熱いんですよ」
無事に音源が整い、リスタート。
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▲少女のような可愛らしさがあります。
雨音とともに、黄色いレインコートを着たつむぎさんが登場。
ピエロメイクで赤い風船を持ったマリンママも現れました。
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▲マリンママのメイクはペニーワイズ。ピエロが苦手な私は、本気で怯えてしまう。<
まず、風船をひとつモデルさんへ。
残りは観客に、ひとつずつ配られていきます。
この時点で、ステージはすでに客席まで広がっていました。
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▲赤い風船が会場中に広がります。
おどろおどろしい音楽が流れ始め、ピエロ姿のマリンママが、レインコート、そして服をゆっくりと脱がせていきます。
つむぎさんは、風船を手放さないまま腕を縛られる。
足元は赤いレインシューズ。
うつろな表情が、強く印象に残ります。
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▲風船が物語の大事なアイテム。
縄が重ねられていく中、マリンママが肩や腕をハムハムと噛むと、つむぎさんから吐息が漏れました。
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▲マリンママのピエロが怖いセクシーです。
下着も赤。
色の統一が、この世界観をさらに際立たせます。
マリンママの衣装は、どこを切り取ってもオリジナリティに溢れ、アートとしての完成度と、世界観への強いこだわりが伝わってきます。
そして何より、つむぎさんが、終始マリンママだけを見つめていること。
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▲衣装へのこだわりが素敵。
ところどころで舐めるマリンママ。
そのときに浮かべる、いたずらっぽい笑顔。
ヘビーメタルの音楽に合わせて、マリンママ自身も楽しそうに体を揺らします。
曲が切り替わると同時に、つむぎさんは吊り上げられる。
それでも、風船は手放さないまま。
横吊りの体勢で蝋燭。
ももに当たるたび、吐息がはっきりと聞こえます。
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▲ピエロに出会って、新しい世界へ飛び込む少女のお話に感じました。
再び、メタル調の音楽へ。
テンポが一気に上がり、つむぎさんは風船を口に咥えます。
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▲SM✕アートを体現している。
白い一本鞭が振り下ろされ、会場に響く絶叫。
赤い風船と白い鞭のコントラストが、視覚的にも強烈でした。
曲調が一度落ち着いたかと思うと、
また激しくなり、サーカス調へ。
逆さまになり、くるくると回される。
観客からも風船が手渡され、
モデルさんは風船でデコレーションされていきます。
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▲マリンさんの意地悪な笑みが、より一層ピエロの恐怖を引き立てる。
風船を受け取るとき、マリンママがサイレントで「ありがとう」と伝える姿も印象的でした。
マリンママが風船を割ると、中から赤い花びらと紙吹雪が舞い散ります。
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▲風船が割れて、思わずびっくりして声を上げてしまいました。
足が床につくところまで解かれ、ぎゅっと抱きしめてから鞭打ち。
最初は優しく、そこから少しずつ激しく。
痛みに耐えきれず離れてしまい、風船が観客のほうへ飛んでいきます。
つむぎさんは吊りから床へ。
それでも、視線はずっとマリンママのまま。
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▲お2人の信頼関係が垣間見えます。
白い蝋燭が噴射され、「危ないよ、危ないよ」と言われながらも、それでも近づいていく。
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▲蝋燭にスプレーをかけて、かなり巨大な火柱に。
蹴られても、また近づく。
「可愛い」と言いながら、頭から蝋燭を垂らす。
首輪を縄で作り、まとわりつくつむぎさんを蹴り飛ばす。
それでも、まだ行かない。
唾を吐かれても、戻ってくる。
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▲このショーをみて、愛するものをもっともっと大切にしたいと思いました。
蹴られても近づく。
拒絶されても戻ってくる。
危うさと愛嬌が同時に立ち上がるその関係性は、この二人だから成立するもの。

最後はキスで終わり、
会場には、どこか満ちた空気が残りました。
Marinママ
KINKY BOXオーナー、SMアーティスト。
Marinママに、貴重なインタビューをさせていただきました。
⇒ 福岡KINKYBOXオーナーママ・マリンさんに聞く|SMとアートが交差する福岡の大人空間
公式Instagram:https://www.instagram.com/kinkymamamarin/
再び、RITA GOLDIE(リタゴールディー)

後半で再登場したリタゴールディーさんは、前半とはまったく違う表情を見せます。
セクシーなドレス姿で現れ、手袋を渡すふりをして引き、にっこりと意地悪そうに笑う。
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▲観客全員思わず笑顔。
上着を脱ぐと、キラキラと光る下着。
白い布の上下を、踊りながら脱いでいきます。
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▲可憐にセクシーに舞い、バーレスクの真骨頂。
ブラジャーのふたを外すと、ニップレス。
観客の視線をしっかり捉える目線の使い方が印象的です。
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▲床でのダンスにもみんな釘付け。
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▲羽を自在に操り、まるで本当に羽が生えたかのような動き。
前半に踊った和のテイストとはまた違う、リタゴールディーさんの魅力が爆発。

最後まで笑顔で踊り切り、再び長いチップの列ができていました。
RITA GOLDIE
BEST OF BURLESQUE 2021優勝。歌舞伎町FANTASTIC LOUNGE・Bar TIPPLEオーナー。
観る側も巻き込まれる緊張感。西口ゆか✕のあ

西口ゆかさんは、「今日はショーを二つ用意しています」と告げます。
パフォーマンス的か、プレイ的か。
拍手が多かったのは、プレイ的ショー。
まず観客に下がるように伝え、距離を確保。
のあさんを四つん這いにし、短い鞭。
BGMもなく、鞭の乾いた音が響きます。
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▲ゆかさんの手の一部のように、繊細な動き。
左足を掴んだまま、次は長い鞭へ。
時折、観客を見ながら振り下ろされる鞭。
こちらまで息を詰めてしまいます。
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▲鞭を持ったゆかさんの笑みに、手に汗を握ります。
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▲鞭を受けるたびに、のあさんの肌に赤みが出てきます。
時折ひゃっと声をあげるのあさん。
そんなのあさんを、首輪を持って引き寄せるゆかさん。
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▲鬼気迫るショーに、会場がひりつく。
ゆかさんが観客を見渡し、目が合った瞬間、のあさんに鞭が触れる。
自分が、鞭で打たれたかのように、息を飲みます。
観客全員を巻き込む静かなショースタイルに、会場全体が震えました。
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▲唯一無二の存在感だとあらためて感じました。
「ホラーショーみたいだった」という声が出るほどの緊張感。
最後は、ゆかさんの「おおきに」で締め。
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▲MCの松本格子戸さんの登場で、はりつめた空気がほどけました
西口ゆか
やみなべSM交流会/やみなべSM祭/BlackBerry超縄会など主催。
大阪SMクラブ(Fetishi-SM)在籍。
公式Instagram:https://www.instagram.com/yukanishiguti/
▷ 公式リンクツリー
のあ
2024年から西口ゆかさんのショーパートナー。日本各地、ドイツ、スペインなどでショーをしている。
「これがSM」 蒼月流✕のの

イカゲームの音楽とともに暗転。
明るくなると、二人がセンターに立っています。
ののさんは黒い目隠しと黒いベール。ダークな世界観が広がります。
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▲BGMも相まって、ひやひやしながらドキドキが止まりません。
目隠しを外し、椅子へ。
鞭が入り、「痛い」と叫ぶ声。
椅子ごと観客のほうへ向けられ、ベビードールを脱がされます。
モデルさんは立たされ、後ろ手縛り。
きつめに、しっかりと縛られていきます。
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▲♡型のニップレスが可愛らしい。
向かい合ったとき、モデルさんがしっかり目を見ているのが印象的でした。
随所に腹パン、腰トントン。
座ったまま乗馬鞭で叩き、さわさわと撫でる。
股間に鞭の柄を擦り付け、声が上がる。
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▲ののさんの恍惚に満ちた表情がセクシー。
吊り輪に固定され、足は床についたまま。
一本鞭が入り、腰やお腹を撫でる。
お腹には赤い跡。
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▲男性らしい力強い鞭さばき。
胸の縄を吊り輪にかけ、椅子を効果的に使いながら進行。
吊り上げ、逆さにして、ぐっと抱え、回しながら一本鞭。
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▲後ろ手の縄目がきれい。
逆さまにして揺らし、突然降ろす。
体で受け止め、「ヨシヨシ」と声をかける。
床に降ろされ、ゆっくり縄が解かれていく。
ののさんは涙を流していました。
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▲緩急のある演出に見入ってしまう。
上半身も丁寧に解き、ぎゅっと抱きしめる。
場の空気が、ふっと緩みます。
そして、ここからが印象的でした。
流さんは再び椅子に座り、タバコを一本くわえる。
ののさんは灰皿を手に持ち、口だけが開いたマスクを装着する。
無言のまま、煙を吐くその姿が、この時間の余韻を静かに引き延ばします。
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▲流さんのかっこよさが引き立ちます。
最後は、丸まったののさんの身体の上に、そっと足を置いて終わり。
これがSMのなせる世界なのかと、激しさと優しさが、はっきりとしたコントラストを描くステージでした。
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▲ショー終了後、松本格子戸さんがマイクを持ってお話を伺うとののさんは、ステージ後とは思えないほど、けろっとにこにこされていました。
ののさんは、1月に結婚。
関西では有名な、タイチさん。この日は旦那さんもステージへ。
蒼月流さんがオーナーを務めるSMバーで出会い、なんと結婚式もバーで行われるとのこと。
SMがつなぐ素敵なご縁とはまさにこういうことでしょう。
蒼月流
大阪、東京でSMバーARCADIAグループ総帥。
大阪 SM Bar ARCADIAは今年で23周年。
公式X:https://x.com/tokinosetsuna
すべてのショーが終わり、出演者紹介という、もう一つの見どころ

ショーがひと段落し、会場は出演者紹介の時間へ。
本日の出演者一同がステージの上へあがります。
MCの松本格子戸さんが、客席を見渡しながら声をかけます。
「改めて見ると、今日ほんと女子多いですね」
笑いを交えつつ、ひとりずつ名前が呼ばれていきます。
コメントや告知など、思い思いの言葉をつづります。
リタゴールディー

「10周年おめでとうございます!!
新宿にお店があり、出勤予定はSNSにて告知しています。
今回は、九州をあと少しショーで回ります。
高田馬場には新店舗が2月5日にプレオープン予定。
ぜひ皆さま遊びにきてください。」
前半・後半でまったく違う表情を見せた二つのステージを思い出しながら、会場から大きな拍手が送られました。
SIVA&餅和

現在はKINKYBOXでタイミー中。
(このSIVAさんのタイミーという言葉が、このあとの出演者のトークに取り入れられていきます…☺)
SIVAさんは、2月14日がリアルバースデー。
KINKYBOXにて、バースデーを祝いたい人はぜひ遊びに来てください。
餅和さんは、「今年もよろしくお願いします。」とシンプルな一言。
その一言に、自然と拍手が起こります。
飛室イヴ

雪村さんが亡くなって10年。
雪村流を継ぐ存在として知られています。
その流れを引き継ぎ、現在は京都バルバラ姉妹店 赤坂8 1/2 Madameなどを拠点に活動中。
タイミーでママをしていると、SIVAさん発祥のタイミーネタを忘れません。
SIVAさんと被ってしまったのですがと、と2月14日に開催されるバルバラ30周年にも触れられました。
若林美保

「踊ってほしいという方がいたら、ぜひ声をかけてください」
という案内とともに、エアリアルヨガも教えていることが紹介されます。
タイミーでの仕事募集も。
美保さんが、タイミーできてくれたらめっちゃ嬉しいですね。
前日はKINKYBOXでマリンママとコラボショー。
「美保ちゃんって呼んでるんですけどね」と、松本さんらしい距離感のある紹介も印象的でした。
マリンママ

KINKYBOXも昨年4月で10周年。
営業時間は20:00〜1:00。店舗が1番盛り上がるのは、22:00〜0:00。
ご自身の店舗も10周年とのことで、熊本シークレットの10周年についても熱い祝辞を述べられていました。
マリンママはタイミーでは、断られてしまうそうです。(ピエロだからかな?)
松本さんから、「15年ぶりに会いました」という一言が添えられ、長い時間の積み重なりを感じさせます。
つむぎさんは、お家に帰ってゆっくりと顔についた蝋燭を落とされるそうです。
西口ゆか&のあ

ゆかさんは、熊本シークレットでのイベントの際にはからあげをあげるのが定番。
「今回は唐揚げを揚げてないのが不思議ですね」とショーの時とは打って変わって爽やかな笑顔。
もうショーの時のクールなスマイルではありません。
客席からは「食べたーい」の声。
やみなべイベントの話題や、「唐揚げの口枷がなかったから今日はうるさかったですね」という笑い話。
のあさんは、174cmに18cmのヒール。
「女王様に頭が高いって言われます」と一同の笑いを誘います。
蒼月流&のの

蒼月流さんは、アルカディアグループのオーナーとして23年。
「10年続くお店は、20年続く」
と力強い言葉で祝辞を述べます。
流さんは、2月6・7・8日は誕生日パーティ。
4月19日には、梅田ピカデリープレミアムで23周年イベントを開催予定とのことです。
シークレットという場所

シークレットのスタッフも壇上にあがって10周年への思い、感謝を伝えます。
シークレットのオーナーは紫紺さんとアムロさんのお2人。
紫紺さんは、
「今後も15周年を目指してやっていきたい」
「15周年の頃には60になってる?」
すかさず、流さんから「俺は、66だよ」という一言が。
驚きと笑いが混じりました。
アムロさんは、
「こんなに沢山の方に祝ってもらえるなんて感動して、ちょっと泣きそうです」と素直な気持ちを。
最後に、LucAママ。
「まだママになったばかりで、つたないところもありますが、よろしくお願いします」
他のスタッフの方も、皆さまへの感謝の気持ちを思い思いに伝えます。
白の衣装に身をまとったシークレットのメンバーのまっさらな感謝の思いが会場を熱くします。
紫護縄びんごさんへの黙祷

MCの松本さんが、神妙な面持ちでお話を始めます。
「今回来る予定でしたが、想い半ばで天に召されてしまった紫護縄びんごのために、お時間をいただいてもいいでしょうか」
「きっと、ここにも来てくれているでしょう」
その言葉とともに、1分間の黙祷が行われました。
今回のイベントに、もし参加できていたら素晴らしいショーをされていたでしょう。
今は亡き、紫護縄びんごさんの偉大な功績に全員が思いをはせました。
10年続いた理由が、自然と伝わる夜
ここまで豪華なメンバーが集まったのは、派手なイベントだったからではありません。
熊本シークレットが、人と向き合い、フェチやSMという文化を、長い時間をかけて育ててきた場所だから。
10周年は、通過点。
この夜は、これからも続いていくことを、ごく自然に感じさせてくれる時間でした。
この日は私にとっても忘れられない夜になりました。
熊本シークレット
今回のイベントは熊本のシークレットの10周年を祝うスペシャルイベント。
公式Instagram:https://www.instagram.com/fetishlab_secret/
以前取材させていただきました。
⇒ 熊本の夜遊び新定番?フェティッシュバー「シークレット」に行ってきた

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