鞭の世界を覗いてみた――十三「Black Berry 超鞭祭」体験記(後編)

前編はこちら

会場の熱気が少し落ち着き、穏やかな空気が流れ始めた頃。
後半の鞭職人紹介が始まりました。
職人たちの姿には、どこか凛とした静けさがあって、その手の中で揺れる鞭がひとつの作品のように見えました。

鞭職人フリータイム②――素材と思想が光る後半ブース

後半の紹介に登場したのは、また個性豊かな職人たち。
鞭というテーマは同じでも、作品の表情はまったく違います。

Liebe Seele(リーべゼーレ)

上質な本革を使用した鞭や首輪、SMグッズ全般を取り扱うブランド。
Amazonでも購入できるという身近さがありながら、作りは本格派。
この日はハート型の打具が印象的でした。
見た目の可愛らしさと、しっかりとした質感のバランスが絶妙です。

公式X:https://x.com/liebe_seele

夜見鞭(よみむち)

自然素材を用いた、日本的な美しさのある打具を制作。
竹を使った鞭はしなやかで、音の余韻まで柔らかい。
自然の力を借りて生まれる鞭」という言葉がぴったりの作品たちでした。

公式X:https://x.com/NuJ3t

革工房あやめ

重みのある打撃感を持つ鞭から、オールラウンドに使える一本鞭まで幅広く展開。
ブースには小物も並び、筆者はここで“手錠ピアス”を購入しました。
小さな鍵がついた本格的なデザインで、耳元に小さな物語を感じるようなピアスでした。


▲乾いた心に革細工。素敵な言葉ですね。

公式X:https://x.com/haruka0848

ゑ悟裟堂(えごさどう)

NUKITIMESでも以前取材した板尾さんのブランド。
今回の新作は「世界で一番軽い鞭」。
実際に手にとってもなんにも持っていないかのように軽い。
ほかにも厚み20mmの“4貫パドル”や、財布に入るほど小さな“ミニメタルケイン”など、愛好家に向けたユニークなアイテムが並んでいました。


▲ゾクゾクに特化した持ち歩きもできるメタルケイン。

公式X:https://x.com/ITAONJ

快楽工房レジーナ

“昭和SM”を理解できる人に向けたグッズを制作。
電気鞭など刺激的な打具が並び、その名の通り“快楽”を追求する世界。
どの作品にも「古き良きSM文化への敬意」が感じられました。

公式X:https://x.com/1lkD2e4rsddh0tr


作品を見ながら感じたのは、鞭というのはただの“道具”ではなく、それぞれの職人が持つ美学や哲学を映す“作品”なんだということ。
会場全体がまるで小さな美術展のようで、一つひとつの音に、作り手の息づかいが感じられました。

清水敬介&梓――静寂の中に響く鞭の音

次のステージは、熊本「シークレット」オーナーの清水敬介さんと、梓さん。
照明が落ち、空気がゆっくりと沈んでいく。
音楽もなく、響くのは鞭の音だけ。

清水さんの動きは無駄がなく、丁寧で美しい。
梓さんの体に当たる一打ごとに、音の余韻が長く残ります。
鞭が肌を打つ瞬間、会場全体が息を止めたように静まり返っていました。

強さだけではない、柔らかさもある鞭の動き。
静寂と音、そのわずかな間(ま)の中に、
ふたりの信頼関係が見えるようでした。
痛みよりも、そこにあるのは“委ねる”という行為
鞭の世界の深さを、改めて感じた時間でした。

公式X:https://x.com/femt55

西口ゆか&のあ――信頼が生む、美しい一幕

そしていよいよ、本日のメインステージ。
主催の西口ゆか女王様のあさんによるショーが始まります。

ステージに先に立つのあさん
そこへ、ゆかさんがゆっくりと現れました。
一歩一歩、堂々とした足取り。
その存在感だけで、空気が変わっていくのが分かります。

鞭を手にしたゆかさんが、のあさんの身体に近づくと、まるで空間そのものが静かに息をのむようでした。
鞭が触れるたびに、音が柔らかく響く。
優しさと強さが交互に流れ、ふたりの間にしかない“呼吸のリズム”が生まれていきます。

鞭は、ただ痛みを与える道具ではなく、相手を理解し、包み込むための言葉。
それを体現するような、美しい時間でした。

鞭の音が途切れた瞬間、ただ余韻だけが漂っていました。
あの静けさこそ、ゆかさんと、のあさんの信頼が生み出したものだったと思います。

西口ゆかさん公式X:https://x.com/SmYuka
のあさん公式X:https://x.com/noanoa0219Y

ビンゴ大会――最後まで鞭づくしの祭典

イベントの締めくくりは、恒例のビンゴ大会。
西口ゆかさんの明るい声が響き、来場者一人ひとりがカードを片手に番号を待ちます。

景品は、出展ブースを代表する豪華な鞭たち。
RISEの一本鞭、ピシャールの一本鞭など、実際に販売されていた作品がそのまま景品になっていました。

番号が読み上げられるたびに「やった!」「惜しい!」という声が飛び交い、
会場は再び笑顔と拍手に包まれました。

筆者は惜しくもビンゴならず。
でも、隣の席の方が立派な竹刀のような鞭を当てて大喜びしているのを見て、
なんだか自分まで嬉しくなりました。

初めて会った人と自然に言葉を交わして笑い合える
それもまた、“鞭の祭”の魅力なのかもしれません。

まとめ〜鞭という文化の深さを知る日〜

初めて参加した「Black Berry 超鞭祭」は、想像していたよりずっと温かい場所でした。
鞭という言葉の持つストイックな印象の奥には、人の手のぬくもりや、作る人の誇り、信頼でつながる関係がありました。

“痛み”や“刺激”という表層ではなく、その先にある“理解”と“表現”。
このイベントは、まさにそれを感じさせる一日でした。

静寂の中に響く鞭の音、笑い合う観客たちの声、そしてステージを包む拍手。
そのどれもが、鞭という文化の多彩さを物語っていました。

またひとつ、“好き”の深さを知った気がします


▲Dariさんと記念撮影。全編を通してとても楽しいイベントでした。


DariさんのやっているWIZARDの紹介記事はこちら
広島の夜を刺激する!SMバー「WIZARD」の秘密の魅力|大人の社交場。

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